「施術中に体を触られた」「個室で性的な話をしつこくされる」「指名を断ったら院長に我慢してと言われた」。鍼灸院で働いていて、患者さんからのセクハラに悩んでいませんか。
治療家コネクトは、柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師などの治療家に特化した人材紹介サービスです。「患者さんからのセクハラを院長に相談したら、お客様だから仕方ないと言われた」「個室での施術が怖くなって辞めたい」
この記事では、患者からのセクハラも院が対策しなければならないハラスメントに含まれること、2026年10月から始まったカスタマーハラスメント対策の義務化、その場での対応と院への相談のしかた、相談先を、厚生労働省の資料をもとに解説します。
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患者からのセクハラも院が対策すべきハラスメント
職場のセクシュアルハラスメントというと、院長や同僚からの行為を思い浮かべるかもしれません。しかし、厚生労働省のパンフレットでは、セクハラの行為者には、事業主や上司、同僚だけでなく「顧客、患者又はその家族」なども含まれると説明されています。
院には防止措置をとる義務がある
院(事業主)には、男女雇用機会均等法にもとづいて、職場のセクハラを防ぐための措置をとる義務があります。相談窓口を決めること、相談があったときに事実を確かめて適切に対応することなどが求められています。患者さんからのセクハラだからといって、「我慢して」で済ませてよいわけではありません。
鍼灸院でセクハラが起きやすい理由
鍼灸の施術は、個室やカーテンで仕切られた空間で、患者さんの体に直接ふれながら行います。施術の時間も長く、施術者と患者さんが一対一になる場面が多いため、セクハラが起きても周りに気づかれにくい環境です。女性の鍼灸師が一人で施術を担当する院では、特に注意が必要です。
よくあるセクハラの例
施術中に体を触られる、性的な冗談や質問をくり返される、施術と関係のない部位の施術を求められる、連絡先をしつこく聞かれる、院の外で待ち伏せされるといった例があります。どれも、働く人の安全と尊厳を傷つける行為です。
男性の鍼灸師も被害にあうことがある
患者さんからのセクハラは、女性の鍼灸師だけの問題ではありません。男性の鍼灸師が、性的なからかいを受けたり、不必要に体にふれられたりすることもあります。性別にかかわらず、嫌だと感じた言動は院に相談してよいものです。
転職相談で聞くセクハラの悩み
転職相談では、「常連の患者さんだから強く言えない」「売上が大きい患者さんなので院長が守ってくれない」という声を聞くことがあります。患者さんとの関係や院の売上を気にして、被害を打ち明けられずにいる人も少なくありません。我慢を続けると、施術そのものが怖くなってしまうこともあります。
2026年10月からカスハラ対策が院の義務に
法律の改正(令和7年法律第63号、2025年6月11日公布)により、2026年10月1日から、カスタマーハラスメント(カスハラ)を防ぐための措置が事業主の義務になりました。厚生労働省の資料で概要が説明されています。
カスハラとはどんな行為か
カスハラは、顧客や取引先などからの、社会通念上許される範囲を超えた言動で、働く人の就業環境を害するものを指します。患者さんからの暴言や威圧的な態度、度を超えた要求なども含まれます。性的な言動はセクハラとして、それ以外の迷惑行為はカスハラとして、院が対策をとる必要があります。
院に求められる主な対策
院には、方針を明らかにしてスタッフに伝えること、相談窓口を整えること、被害があったときに迅速に対応することなどが求められます。「問題のある患者さんの施術はお断りする」「施術者の性別を選べるようにする」など、院としてできる工夫もあります。
相談したことで不利益に扱われない
セクハラについて相談したことや、事実の確認に協力したことを理由に、解雇や減給などの不利益な扱いをすることは禁じられています。相談したら立場が悪くなるのでは、と心配しすぎず、院に伝えることが大切です。
院のルールを確認しておく
自分の院に、迷惑な患者さんへの対応方針や相談窓口があるかを確認しておきましょう。就業規則やスタッフ向けのマニュアル、院内の掲示に書かれていることがあります。見当たらない場合は、「もしものときはどうすればよいですか」と院長に聞いておくだけでも、いざというときに動きやすくなります。
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セクハラを受けたときの対処法と相談先
セクハラを受けたときは、自分の安全を最優先にしてください。その場で無理に我慢する必要はありません。
その場では施術を中断してよい
体を触られたり、性的な発言が続いたりしたときは、「施術を中断します」と伝えて個室から出て、ほかのスタッフや院長を呼びましょう。施術者が自分を守るために施術を止めることは、わがままではありません。
日時と内容を記録して院に報告する
被害を受けた日時、患者さんの名前、言われたことやされたこと、その場にいた人を、できるだけ早くメモしておきましょう。そのうえで院長や相談窓口に報告し、次回から担当を外してもらう、施術をお断りするなどの対応を求めます。
院が動いてくれないときの相談先
院に相談しても対応してもらえない、逆に責められたというときは、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。無料で、匿名での相談もできます。身の危険を感じるときは、迷わず警察に相談してください。
心と体のケアも忘れずに
セクハラを受けたあとは、施術中に不安を感じたり、眠れなくなったりすることがあります。信頼できる人に話を聞いてもらう、必要であれば医療機関を受診するなど、自分の心と体のケアも大切にしてください。
スタッフを守る院を選ぶ
転職を考えるときは、施術室の環境や、迷惑な患者さんへの対応方針を見学や面接で確認しておくと安心です。「施術中に困ったことがあったら、どなたに相談できますか」と聞いてみると、院の体制が見えてきます。女性が働きやすい院の選び方は女性鍼灸師が働きやすい鍼灸院の選び方も参考にしてください。
一度の転職で環境が大きく変わることもあります。今の院でつらい思いを続けるより、安心して施術に集中できる職場を探すことも、自分を守る大切な選択肢です。
よくある質問
患者からのセクハラも院に相談していいのですか?
はい。厚生労働省の資料では、セクハラの行為者に「顧客、患者又はその家族」も含まれると説明されています。院には相談に応じて適切に対応する義務があります。
院長に「お客様だから我慢して」と言われました。
院にはセクハラを防ぐ措置をとる義務があり、我慢させて済ませるのは適切な対応とは言えません。院が動いてくれないときは、労働局の雇用環境・均等部(室)に相談しましょう。
カスハラ対策の義務化はいつからですか?
2026年10月1日から、カスタマーハラスメントを防ぐための措置が事業主の義務になりました。
施術を途中でやめてもいいですか?
体を触られるなど身の危険を感じるときは、施術を中断してほかのスタッフを呼んでかまいません。自分の安全を最優先にしてください。
相談したら辞めさせられないか心配です。
セクハラの相談をしたことを理由に、解雇などの不利益な扱いをすることは禁じられています。
男性の鍼灸師でもセクハラの相談はできますか?
はい。性別にかかわらず、患者さんからの性的な言動で働く環境が害されている場合は、院や労働局に相談できます。
常連の患者さんなので言い出しにくいです。
常連の患者さんであっても、セクハラを我慢する必要はありません。日時や内容を記録したうえで、院長や相談窓口に伝えましょう。
院の外で待ち伏せされたらどうすればいいですか?
身の危険を感じるときは、すぐに警察に相談してください。院にも報告し、帰宅時はほかのスタッフと一緒に出るなどの対策をとってもらいましょう。
まとめ
患者からのセクハラも、院が防止措置をとらなければならないハラスメントに含まれます。2026年10月からはカスハラ対策も院の義務になりました。被害を受けたら施術を中断して安全を確保し、日時と内容を記録して院に報告しましょう。院が動いてくれないときは、労働局の雇用環境・均等部(室)に無料で相談できます。
治療家コネクトでは、退職や転職のご相談を無料で承っています。患者さんからのセクハラに悩んでいる方、スタッフを守る体制がある院で働きたい方も、お気軽にご連絡ください。まずは相談だけでも大丈夫です。



