「親が倒れて、これから通院の付き添いや介護が必要になりそう」と不安を抱えていませんか。整骨院は少人数で回していることが多く、休みを言い出しにくいと感じる人も多いはずです。
介護休業とは、要介護状態の家族を介護するために、労働者が法律にもとづいて仕事を休める制度のことです。整骨院の規模に関係なく、条件を満たせば正社員でもパートでも使えます。
この記事では、柔道整復師が親の介護と仕事を両立するために知っておきたい制度と、院への伝え方、働き方の選び方を解説します。
「介護が始まって、今の院で働き続けられるか不安」という方は、治療家コネクトのLINE無料相談で話を聞くこともできます。
介護と仕事を両立するために使える制度
介護と仕事を両立するために、育児・介護休業法では介護休業・介護休暇・残業の免除などの制度が定められています。整骨院で働く柔道整復師も、条件を満たせばこれらを使えます。
総務省の就業構造基本調査(2022年)によると、介護をしながら働いている人は約365万人います。一方で、過去1年間に介護や看護のために仕事を辞めた人は約10万6千人でした。制度を知らないまま辞めてしまう前に、使える仕組みを確認しておきましょう。
介護が必要になる前から制度を知っておくことが、両立の第一歩です。
介護休業と介護休暇の違い
介護休業はまとまった期間を休むための制度、介護休暇は通院の付き添いなどで1日や数時間だけ休むための制度です。
| 制度 | 休める日数 | 主な使い方 |
|---|---|---|
| 介護休業 | 対象家族1人につき通算93日まで(3回まで分けられる) | 介護の体制を整える期間、施設探しなど |
| 介護休暇 | 年5日(対象家族が2人以上なら年10日) | 通院の付き添い、ケアマネジャーとの面談など |
介護休暇は時間単位でも取れるため、「午前だけ休んで、午後から施術に入る」といった使い方もできます。
介護休業の対象になる家族は、配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。同居していなくても対象になります。
残業の免除や短時間勤務も選べる
休業や休暇のほかにも、介護をしながら働き続けるための制度があります。整骨院では夜の時間帯が忙しいことが多いので、勤務時間を調整する制度は特に役立ちます。
- 所定外労働の制限(残業の免除)
- 時間外労働の制限(月24時間・年150時間まで)
- 深夜業の制限(22時から5時までの勤務の免除)
- 短時間勤務やフレックスなど、事業主が用意する勤務時間の措置
閉院後のカルテ整理や片付けが毎日30分以上続く院では、残業の免除を申し出るだけで、夕方の介護に間に合うようになることもあります。
介護休業中のお金と、2025年4月の法改正
介護休業中は、雇用保険から介護休業給付金として、休業前の賃金の67%が支給されます。また2025年4月の法改正で、介護休暇を取りやすくする見直しや、事業主から働く人への制度の周知が義務になりました。
「休むと収入がなくなるから」と、無理をして勤務を続ける人は少なくありません。休業中の収入の目安を知っておくと、介護の計画を立てやすくなります。
介護休業給付金の仕組み
介護休業給付金は、雇用保険に加入している人が介護休業を取ったときに受け取れるお金です。支給額は「休業開始時の賃金日額×支給日数×67%」が目安です。
受け取るには、原則として休業を始める前の2年間に、雇用保険に加入していた月が12か月以上あることなどの条件があります。申請は勤務先を通してハローワークに行うのが一般的なので、院に手続きを頼む必要があります。
たとえば月給24万円の人が30日間休業した場合、賃金日額を約8,000円とすると、8,000円×30日×67%で約16万円が目安です。
2025年4月から変わったこと
2025年4月に施行された改正育児・介護休業法では、介護と仕事を両立しやすくするための見直しが行われました。主な内容は次のとおりです。
- 働き始めて6か月未満の人を介護休暇の対象外にできる仕組みの廃止
- 介護が必要になったと申し出た人に、制度を個別に知らせて意向を確認する義務
- 40歳になったときなど、早めに制度の情報を伝える義務
- 相談窓口の設置や研修など、制度を使いやすくする環境づくりの義務
入職したばかりでも介護休暇を取れるようになったので、転職して間もない人も遠慮せず相談しましょう。
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整骨院への伝え方と、両立しやすい働き方の選び方
院長には、介護が必要になった事情と、いつから・どのくらい休みや時間調整が必要かを、早めに具体的に伝えることが大切です。今の院で両立が難しい場合は、働き方を変える転職も選択肢になります。
少人数の整骨院では、一人が休むと他のスタッフの負担が増えるため、言い出しにくいものです。朝の開院準備をしながら「いつ切り出そう」と悩み続けるより、制度を使うのは当然の権利だと考えて、落ち着いて相談しましょう。
院長への相談の進め方
相談するときは、次の順番で伝えると話がまとまりやすくなります。
- 家族の状況と、介護が必要になった時期を簡潔に伝える
- 必要な配慮(休業・休暇・残業の免除・勤務時間の変更)を具体的に伝える
- シフトの調整や引き継ぎについて、自分にできることを提案する
- 相談した日付と内容をメモに残しておく
介護休業は、原則として休業を始める2週間前までに申し出ます。急に必要になった場合も、まずは早めに相談することが大切です。
介護の予定は、ケアマネジャーとの打ち合わせで変わることも多いものです。見通しがわかった時点で、その都度院に共有するようにしましょう。
両立が難しいときは働き方を見直す
院が制度を使わせてくれない、または勤務時間がどうしても合わない場合は、働き方を変えることも考えましょう。介護と両立しやすい職場には、次のような特徴があります。
- 診療時間が短く、閉院時間が早い整骨院
- 日勤中心で残業が少ない、整形外科や介護施設
- シフトの融通がききやすい、パートや時短勤務の求人
- 実家の近くで働ける、地元の整骨院
パートで働く場合の確認点は柔道整復師がパートで働くときの記事が参考になります。休職して心身を立て直したい場合は、休職と傷病手当金について解説した記事も読んでみてください。
転職を考える場合も、在職中に情報を集めておくと、介護の状況に合わせて焦らずに選べます。
よくある質問(FAQ)
整骨院のような小さな職場でも、介護休業は取れますか?
整骨院の規模に関係なく、条件を満たせば介護休業は取れます。育児・介護休業法は、従業員が少ない事業所にも適用されます。ただし、労使協定で入社1年未満の人などが対象外とされている場合もあるので、就業規則を確認しましょう。
パートでも介護休業や介護休暇を使えますか?
パートでも介護休業や介護休暇を使えます。契約期間に定めがある場合は、休業を始めてから93日後から6か月の間に契約が終わることが明らかでないことなどが条件です。介護休暇は、2025年4月から勤続6か月未満の人も対象になりました。
介護休業中は、給料はもらえないのですか?
介護休業中の給料は、法律上は支払う義務がなく、院の規定によります。そのかわり、雇用保険から介護休業給付金として休業前の賃金の67%が支給されます。雇用保険に加入していない場合は受け取れないので、加入状況を確認しておきましょう。
介護を理由に整骨院を辞める場合、失業保険はすぐにもらえますか?
家族の介護のために辞める場合は、条件を満たせば「正当な理由のある自己都合退職」として扱われ、給付制限がかからないことがあります。判断はハローワークが行うので、介護の状況がわかる書類を持って相談しましょう。
介護休業を申し出たら、院長に嫌な顔をされました。どうすればいいですか?
介護休業の申し出や取得を理由に、解雇や降格などの不利益な扱いをすることは法律で禁止されています。話し合いで解決しない場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に無料で相談できます。やり取りの記録を残しておきましょう。
まとめ
親の介護が始まっても、介護休業(通算93日)、介護休暇(年5日)、残業の免除などの制度を使えば、整骨院の仕事を続けられる可能性があります。介護休業中は、雇用保険から賃金の67%の給付金を受け取れます。
2025年4月の法改正で、制度の周知や意向確認が事業主の義務になりました。まずは院長に早めに相談し、それでも両立が難しい場合は、時間の融通がきく働き方への転職も考えてみましょう。
地域包括支援センターなど、介護の相談窓口も早めに頼ってください。
介護は先の見通しが立てにくく、仕事との両立に悩むのは自然なことです。今の院で続けるか、働き方を変えるか迷ったときは、条件の整理からお手伝いします。
治療家コネクトでは、退職や転職のご相談を無料で承っています。「まだ決めていない」「話を聞いてほしいだけ」という段階でも、まずは相談だけでも大丈夫です。



