「給与明細に雇用保険料の欄がない」「入社したのに保険の説明がなかった」と不安になっていませんか。整骨院の雇用保険は、条件を満たせば院の規模に関係なく加入が義務です。
雇用保険とは、失業したときの基本手当や育児休業給付などを受けるための公的な保険のことです。この記事では、柔道整復師が自分の加入状況を確かめる方法と、未加入だったときの対処法を順番に解説します。
退職してから「失業保険がもらえない」と気づくと、手続きに時間がかかります。在職中のうちに確認しておきましょう。
「自分の院が加入しているかわからない」という方は、治療家コネクトのLINE無料相談で話を聞くこともできます。
整骨院の雇用保険は加入義務がある?対象になる条件
週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上働く見込みがあれば、整骨院でも雇用保険への加入は義務です。正社員かパートかという呼び方は関係ありません。
個人経営の小さな整骨院だと、「うちは個人だから」と説明されることがあります。しかし労働者を1人でも雇う事業所は、原則として雇用保険の適用事業です。受付締め後にレセプトを整理しながら、「自分は守られているのか」と不安になる人は少なくありません。
加入条件は「週20時間以上・31日以上の見込み」
加入の基準は、雇用形態ではなく働く時間と期間です。次の2つを満たすと、事業主は加入の手続きをしなければなりません。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上引き続き雇用される見込みがある
2024年5月に成立した改正雇用保険法により、2028年10月からは週10時間以上に対象が広がる予定です。午前だけのパート勤務でも、将来は加入の対象になる可能性があります。
求人票に「雇用保険あり」と書かれていても、入社後に手続きがされていないケースもあります。入社から数か月たっても被保険者証が渡されない場合は、一度確認してみる価値があります。
健康保険・厚生年金とは加入の条件が違う
雇用保険と健康保険・厚生年金は、加入の条件が別々に決まっています。個人経営で従業員が5人未満の整骨院は、健康保険・厚生年金が任意加入になる場合があります。
一方、雇用保険は従業員が1人でも対象です。「社会保険がないから雇用保険もない」とは限らないので、分けて確認しましょう。健康保険・厚生年金のことは社会保険なしの整骨院について解説した記事で詳しく紹介しています。
入職前なら、求人票や雇用契約書の「加入保険」の欄で、雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金のどれに入るのかを確かめておくと安心です。
雇用保険に入っているか確認する3つの方法
加入しているかどうかは、給与明細・雇用保険被保険者証・ハローワークへの照会の3つで確認できます。院長に聞きにくい場合でも、自分だけで確かめる方法があります。
「入社のときに書類をもらった気がするけど、どこにしまったか思い出せない」というのはよくあるケースです。手元にある書類から順に見ていきましょう。
| 確認方法 | わかること | 手間 |
|---|---|---|
| 給与明細 | 保険料が引かれているか | すぐ確認できる |
| 雇用保険被保険者証 | 被保険者番号・取得日 | 書類を探す必要がある |
| ハローワークでの照会 | 加入の有無と取得日 | 窓口へ行く必要がある |
給与明細の「雇用保険料」の欄を見る
最初に見るべきは、毎月の給与明細です。雇用保険に入っていれば、控除の欄に「雇用保険料」が記載されています。
厚生労働省の発表によると、2026年度(令和8年度)の雇用保険料率は、一般の事業で労働者負担が1,000分の5です。月給25万円なら、1か月あたりおよそ1,250円が目安になります。欄が空白の場合や、給与明細そのものをもらえない場合は、次の方法で確認しましょう。
ハローワークで加入状況を照会する
いちばん確実なのは、ハローワークで照会する方法です。「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会票」に記入し、本人確認書類と一緒に提出すると、加入の有無を教えてもらえます。
- マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類を用意する
- ハローワークの窓口で照会票を受け取り、勤務先の名称と所在地を書く
- 窓口に提出し、加入の有無と資格を取得した日を確認する
入社時に「雇用保険被保険者証」を受け取っていれば、そこに書かれた被保険者番号も手がかりになります。
照会は、在職中でも退職後でもできます。退職後に離職票が届かないといったトラブルがあったときも、加入記録の確認が解決の第一歩になります。
💬 一人で悩まなくて大丈夫です
加入状況の確かめ方や、雇用保険・社会保険が整った職場探しについても無料でご案内しています。LINEで相談してみる
雇用保険に未加入だったときの対処法と遡り加入
未加入がわかったら、まず院に加入手続きを求め、応じてもらえなければハローワークに「確認の請求」をします。過去の分も、原則2年さかのぼって加入できます。
院長に言い出すのは勇気がいるものです。朝礼のあと、施術ベッドを整えながら「どう切り出そう」と悩む人もいます。感情的にならず、事実を確認する形で伝えるのがポイントです。
院に手続きを依頼し、だめならハローワークへ
最初は、院長や事務担当に「雇用保険の手続き状況を確認したい」と伝えましょう。単なる手続き漏れであれば、これで解決することがあります。
応じてもらえない場合は、ハローワークに「被保険者となったことの確認」を請求できます。雇用保険法第8条に基づく手続きで、本人が直接申し出られます。給与明細や雇用契約書、タイムカードの写しなど、働いていた事実がわかる資料を持っていきましょう。
伝えるときは「転職を考えているから」ではなく、「将来の手続きのために加入状況を知っておきたい」と言えば角が立ちにくくなります。やり取りはメモやメールで残しておくと、後でハローワークに相談するときにも役立ちます。
さかのぼれるのは原則2年まで
さかのぼって加入できる期間は、原則として確認された日から2年前までです。ただし、給与から雇用保険料が天引きされていたことが給与明細などで確認できれば、2年より前の期間もさかのぼれる場合があります。
失業保険を受け取るには、原則として離職前2年間に被保険者期間が12か月以上必要です。未加入のまま退職すると受け取れないおそれがあるため、在職中に手続きを済ませておくと安心です。受給の流れは整骨院を辞めた後の失業保険の記事を参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
整骨院のパートでも雇用保険に入れますか?
週20時間以上働き、31日以上雇われる見込みがあれば、パートでも加入の対象です。午前のみや週3日の勤務でも、合計で週20時間を超えるなら加入が必要です。2028年10月からは週10時間以上に広がる予定なので、短時間で働く人も勤務時間を確認しておきましょう。
雇用保険に入っていないと、退職後に失業保険はもらえませんか?
未加入のままだと、原則として失業保険は受け取れません。ただし、ハローワークで確認の請求をすれば、原則2年までさかのぼって加入できます。退職を決める前に加入状況を確かめ、必要なら手続きを進めておくのが安全です。
ハローワークに照会したことは院長に知られますか?
加入状況の照会は、本人が窓口で行う手続きです。院への連絡が必要になるかどうかは、窓口で事前に確認できます。未加入とわかって確認の請求をする場合は、ハローワークから事業所へ手続きの指導が入るのが一般的です。
雇用保険料が引かれているのに未加入ということはありますか?
まれに、保険料を天引きしているのに加入手続きがされていないケースがあります。給与明細で天引きが確認できれば、2年より前の期間もさかのぼれる可能性があります。給与明細は捨てずに保管し、ハローワークで照会してみましょう。
試用期間中は雇用保険に入らなくていいと言われましたが本当ですか?
試用期間中でも、週20時間以上・31日以上の見込みという条件を満たせば、入社日から加入の対象です。「本採用になってから加入する」という扱いは、法律上の根拠がありません。気になる場合は、入社日を資格取得日として手続きしてもらえるか確認しましょう。
まとめ
整骨院の雇用保険は、週20時間以上・31日以上の見込みがあれば、院の規模に関係なく加入が義務です。給与明細の雇用保険料の欄と、ハローワークでの照会で加入状況を確かめられます。
未加入だった場合は、まず院に手続きを求め、応じてもらえなければハローワークに確認を請求しましょう。保険の手続きをきちんとしているかは、働き続けるかを考える材料にもなります。職場の見極め方はブラック整骨院の特徴と見分け方も参考にしてください。
迷ったときは一人で抱え込まず、ハローワークや専門の相談窓口を頼ってください。
雇用保険の未加入は、今の職場の労務管理を見直すきっかけにもなります。手続きを進めながら、保険がきちんと整った職場への転職を考えるのも一つの方法です。
治療家コネクトでは、退職や転職のご相談を無料で承っています。「まだ決めていない」「話を聞いてほしいだけ」という段階でも、まずは相談だけでも大丈夫です。



