鍼灸師が機能訓練指導員になるには?6か月の実務経験と働き方

デイサービスの機能訓練室で、高齢の利用者と一緒に体操をする女性鍼灸師のイラスト
  • URLをコピーしました!

「鍼灸院の仕事は好きだけど、土日休みで夜遅くならない働き方もしてみたい」と考えたことはありませんか。介護施設の機能訓練指導員は、鍼灸師の資格を活かせる転職先の一つです。

機能訓練指導員とは、デイサービスや特別養護老人ホームなどで、利用者が日常生活を続けられるよう体の機能を保つ訓練を計画し、指導する職種のことです。ただし鍼灸師の場合は、資格だけではなく実務経験の条件があります。

この記事では、厚生労働省の資料をもとに、鍼灸師が機能訓練指導員になるための条件と、仕事内容、求人の選び方を順番に解説します。

「介護分野が自分に合うか迷っている」という方は、治療家コネクトのLINE無料相談で話を聞くこともできます。

目次

鍼灸師は機能訓練指導員になれる?6か月の実務経験が条件

鍼灸師は、2018年度(平成30年度)の介護報酬改定から機能訓練指導員になれるようになりました。ただし、ほかの有資格者がいる事業所で6か月以上、機能訓練に携わった経験が必要です。

改定前に厚生労働省の社会保障審議会へ出された資料(2017年)では、はり師・きゅう師が機能訓練を行っている通所介護事業所は6.8%でした。資格要件に加わったことで、鍼灸師が介護分野で働く道が正式に開かれた形です。

鍼灸院の待合室で、高齢の患者さんから「デイサービスにも先生みたいな人がいたらいいのに」と言われ、介護分野が気になり始めたというのはよくあるケースです。

条件は「有資格の指導員がいる事業所で6か月以上」

実務経験として認められるのは、決められた資格を持つ機能訓練指導員を配置した事業所で、6か月以上勤務して機能訓練指導に従事した経験です。平成30年度介護報酬改定の説明資料では、次のように整理されています。

  • 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護職員・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師のいずれかが、機能訓練指導員として配置されている事業所であること
  • その事業所で6か月以上勤務していること
  • 勤務の中で、機能訓練指導に実際に従事していること

つまり、鍼灸院で何年働いていても、それだけでは条件を満たしません。介護の現場で、有資格の指導員と一緒に働いた経験が求められます。

柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師との違い

同じ治療家の資格でも、機能訓練指導員の要件は資格によって違います。柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師は、資格があればすぐに機能訓練指導員になれます。

資格 機能訓練指導員の要件
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護職員 資格だけで可
柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師 資格だけで可
はり師・きゅう師 有資格の指導員がいる事業所で6か月以上の実務経験が必要

あん摩マッサージ指圧師の資格も持っている鍼灸師なら、その資格で応募できます。ほかの資格の場合はあん摩マッサージ指圧師が機能訓練指導員になる方法や柔道整復師の機能訓練指導員への転職も参考にしてください。

機能訓練指導員の仕事内容と鍼灸院との違い

機能訓練指導員の主な仕事は、利用者ごとの個別機能訓練計画を作り、体操や生活動作の訓練を行うことです。介護保険の機能訓練として、鍼灸の施術を行うわけではありません。

鍼灸院では一人ひとりに施術して症状を和らげることが中心ですが、介護施設では「自分で歩く」「自分でトイレに行く」といった生活の力を保つことが目標になります。夕方に送迎車を見送ったあと、その日の訓練の記録をまとめて一日が終わる、という流れが一般的です。

デイサービスでの1日の流れ(よくある例)

デイサービスで働く機能訓練指導員の1日は、日中の時間帯で完結することが多いです。施設によって違いますが、よくある流れは次のとおりです。

  1. 朝の申し送りと、利用者の体調の確認
  2. 午前中に集団体操やレクリエーションを担当する
  3. 昼食後に、一人ずつの個別機能訓練を行う
  4. 利用者が帰ったあとに、訓練の記録や計画書を作る

計画書は3か月ごとの見直しが求められることが多く、パソコンでの書類作業も仕事の一部です。施術だけをしていたい人には、この点がギャップになることがあります。

鍼灸師の知識が活きる場面

鍼灸師が学んできた解剖学や生理学、東洋医学の知識は、介護施設でも十分に活かせます。体のどこがこわばっているかを触れて判断する力は、訓練メニューを考えるときの強みです。

また、ツボを使ったセルフケアの指導や、冷えやむくみへの声かけなど、鍼灸師ならではの関わり方もできます。ただし施設で施術を行ってよいかは方針によって違うので、入職前に確認しておきましょう。

📋 見学・面接で使えるチェックリストを無料でプレゼント

求人票・見学・面接・内定の4つの場面で確認したい項目を、1枚のチェックリストにまとめました。介護施設の見学にも使えます。LINEに登録すると、すぐに受け取れます。

チェックリストをLINEで受け取る

登録は無料です。相談しなくても受け取れます。

鍼灸師が機能訓練指導員を目指す手順と求人の選び方

まず有資格の機能訓練指導員がいる介護事業所に就職して6か月の経験を積み、そのあと機能訓練指導員として配置される流れが現実的です。求人を見るときは、実務経験の扱いを必ず確認しましょう。

厚生労働省の衛生行政報告例(2024年末)によると、就業しているはり師は136,736人で、2年前より4.0%増えています。はり・きゅうを行う施術所も35,494か所と4.7%増えており、鍼灸院どうしの競争は強まっています。資格を活かせる場所を鍼灸院の外にも持っておくことは、長く働くうえでの安心材料になります。

6か月の経験を積むまでの手順

未経験から機能訓練指導員を目指す場合、次の順番で進めるとスムーズです。

  1. 理学療法士や柔道整復師などの機能訓練指導員が配置されている事業所の求人を探す
  2. 「機能訓練の補助」「鍼灸師可」などの条件で入職し、機能訓練に携わる
  3. 6か月以上の勤務と従事内容を、事業所に証明してもらえるか確認しておく
  4. 条件を満たしたら、機能訓練指導員として配置してもらう、または転職する

実務経験の確認に使う書類は、自治体や事業所によって扱いが違うことがあります。入職前に、経験の証明を出してもらえるかを聞いておくと安心です。

求人票と見学で確認したいこと

鍼灸師可の介護求人を選ぶときは、給与や休日だけでなく、6か月後の働き方まで確認しておきましょう。

  • 機能訓練指導員の資格を持つ職員が、何人配置されているか
  • 6か月後に機能訓練指導員として配置する予定があるか
  • 入職後の仕事が、介護業務中心になりすぎないか
  • 施設内で鍼灸の施術を行ってよいか、行う場合のルール

見学では、訓練の時間に実際どんな関わり方をしているかを見ると、入職後のイメージがつかみやすくなります。整骨院など別の選択肢と比べたい場合は、鍼灸師が整骨院で働く場合の仕事内容も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

鍼灸師の資格だけで、すぐにデイサービスの機能訓練指導員になれますか?

鍼灸師の資格だけでは、すぐに機能訓練指導員にはなれません。有資格の機能訓練指導員がいる事業所で6か月以上勤務し、機能訓練に従事した経験が必要です。あん摩マッサージ指圧師の資格も持っている場合は、その資格で応募できます。

6か月の実務経験は、鍼灸院での勤務でも数えられますか?

鍼灸院での施術経験は、原則として機能訓練指導員の実務経験には数えられません。求められるのは、理学療法士や柔道整復師などの機能訓練指導員が配置された事業所で、機能訓練に携わった経験です。介護事業所での勤務が前提になります。

機能訓練指導員として働くと、鍼の腕は落ちませんか?

施術の機会は減るため、何もしなければ感覚が鈍ることはあります。休日の勉強会に参加したり、就業規則で認められていれば週1日だけ鍼灸院で働いたりして、技術を保っている人もいます。入職前に副業の可否を確認しておきましょう。

機能訓練指導員の仕事に夜勤はありますか?

デイサービスは日中のサービスが中心なので、夜勤がない求人が多いです。特別養護老人ホームなど入所型の施設でも、機能訓練指導員は日勤のことが一般的ですが、施設によって違います。求人票と面接で勤務時間を確認しましょう。

40代の鍼灸師でも介護分野に転職できますか?

40代でも介護分野への転職は十分に可能です。求人の募集で年齢を制限することは、労働施策総合推進法で原則として禁止されています。これまでの臨床経験や、高齢の患者さんと接してきた経験は、介護の現場でも評価されやすいポイントです。

まとめ

鍼灸師は、2018年度の介護報酬改定から機能訓練指導員になれるようになりました。ただし、有資格の機能訓練指導員がいる事業所で6か月以上、機能訓練に従事した経験が条件です。

介護分野は日中中心の働き方を選びやすい一方、書類作業が増えたり、施術の機会が減ったりする面もあります。6か月後の配置の予定まで確認したうえで、自分に合う職場を選びましょう。

介護分野への転職は、鍼灸師としての経験を新しい形で活かせる選択肢です。どの職場なら6か月の経験を積めるのか、一人で探すのが大変なときは頼ってください。

治療家コネクトでは、退職や転職のご相談を無料で承っています。「まだ決めていない」「話を聞いてほしいだけ」という段階でも、まずは相談だけでも大丈夫です。

デイサービスの機能訓練室で、高齢の利用者と一緒に体操をする女性鍼灸師のイラスト

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次