「整骨院で男が育休なんて、言い出しにくい」「スタッフが少ない院だから休めないのでは」。子どもの誕生を控えて、こんな不安を抱える男性の柔道整復師は少なくありません。
結論から言うと、男性柔道整復師の育休は、整骨院の規模にかかわらず法律で認められた権利です。この記事では、育休とは何か、整骨院での申し出方、休業中にもらえる給付金の目安を、厚生労働省の資料をもとに解説します。
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男性柔道整復師も整骨院で育休を取れる
男性の柔道整復師も、雇用されていれば整骨院の規模に関係なく育休を取れます。院が「うちは小さいから無理」と断ることは、育児・介護休業法で認められていません。
育休(育児休業)とは、原則として子どもが1歳になるまで、仕事を休んで子育てに専念できる制度のことです。保育園に入れないなどの事情があれば、最長で2歳まで延長できます。男性も女性も同じように使えます。
受付締め後のカルテ整理をしながら「院長にいつ切り出そう」と考え込む。そんな場面は、整骨院で働く男性にとって珍しくありません。ただ、取得そのものは院長の許可制ではなく、本人の申し出で成り立つ権利です。
男性の育休取得率は5割を超えた
男性の育休は、いまや特別なことではありません。厚生労働省の令和7年度雇用均等基本調査によると、配偶者が出産した男性の育休取得率は50.9%でした。前回調査の40.5%から10.4ポイント上がっています。
同じ調査では、従業員5〜29人の事業所で育休の規定がある割合は81.3%でした。一方、産後パパ育休の規定がある割合は66.2%にとどまります。小規模な整骨院では、制度が就業規則に書かれていないこともある点は知っておきましょう。
規定がなくても取得できる理由
育休は法律で定められた制度なので、院の就業規則に書かれていなくても取得できます。規定がないことは、断ってよい理由になりません。
ただし、労使協定を結んでいる院では、入社1年未満の人などを対象外にできる場合があります。入社して間もない人は、まず就業規則や労使協定の有無を確認しておくと安心です。
整骨院で育休を申し出る手順
整骨院で育休を取るなら、出産予定日がわかった段階で早めに院長へ伝え、書面で申し出るのが基本です。法律上の申し出期限は、通常の育休が開始1か月前まで、産後パパ育休が原則2週間前までです。
整骨院は少人数のシフトで回していることが多く、急な欠員は他のスタッフの負担に直結します。早めに伝えるほど、代わりの柔道整復師の手配や予約の調整がしやすくなり、復帰後の関係も保ちやすくなります。
申し出までの流れ
- 出産予定日がわかったら、休みたい期間の目安を家族と決める
- 院長に口頭で妊娠の報告と、育休を取りたい意向を伝える
- 休業開始日・終了日を書いた申出書を提出する(様式は院か厚生労働省のひな形を使う)
- 担当患者の引き継ぎとシフト調整を院と相談する
- 給付金の申請に必要な書類を院と確認する
口頭だけで済ませると「聞いていない」と言われるおそれがあります。申出書の控えやメールなど、伝えた日付が残る形にしておくと安心です。
産後パパ育休を使い分ける
産後パパ育休とは、子どもの出生後8週間以内に、最大4週間(28日)まで取れる男性向けの育休です。2回に分けて取れるので、出産直後と退院後など、人手が必要な時期に合わせやすい制度です。
たとえば「出産直後に2週間、里帰りから戻る時期に2週間」と分ければ、院の繁忙期を避けながら家族を支えられます。通常の育休と組み合わせることもできます。
「育休の相談をしたら嫌な顔をされた」という場合は、院内だけで抱え込まないことが大切です。整骨院のパワハラの相談先も参考にしてください。
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育休中の給付金と手取りの目安
育休中は院からの給料が出ないことが多い一方で、雇用保険から給付金が支給されます。2025年4月からは上乗せの給付も始まり、条件を満たせば最初の28日間は手取りでほぼ10割に近い水準になります。
「休んだら家計がもたない」と考えて育休をあきらめる人は多いものです。しかし、給付金と社会保険料の免除を合わせると、思ったより収入の減り方は小さいケースがあります。
育児休業給付金と出生後休業支援給付金
| 給付 | 支給額の目安 | 期間 |
|---|---|---|
| 育児休業給付金 | 休業前賃金の67% | 休業開始から180日まで(以降は50%) |
| 出生後休業支援給付金 | 休業前賃金の13%を上乗せ | 最大28日(両親がそれぞれ14日以上取るなどの条件あり) |
厚生労働省の案内によると、出生後休業支援給付金は2025年4月に始まった制度です。育児休業給付金と合わせて80%となり、給付が非課税で社会保険料も免除されるため、手取りで10割相当になるとされています。
雇用保険に入っているかを先に確認
給付金を受け取るには、雇用保険に加入していることが前提です。原則として、休業前の2年間に雇用保険の加入期間が12か月以上必要になります。
整骨院の中には、業務委託契約で働かせていたり、雇用保険の手続きをしていなかったりする院もあります。給与明細で雇用保険料が引かれているかを確認しましょう。加入していない場合は、社会保険がない整骨院のリスクもあわせて読んでおくと判断しやすくなります。
育休を取りにくい整骨院で考えたいこと
育休の申し出を理由に、減給・降格・退職の強要などをすることは、育児・介護休業法で禁止されています。それでも取得を妨げられる場合は、労働局への相談や、働きやすい職場への転職を考える価値があります。
「今は忙しいから無理」「男が休むなら辞めてもらう」。こうした言葉をかけられると、自分が悪いような気持ちになるかもしれません。ただ、家族の大切な時期を守ることは、わがままではありません。
困ったときの相談先
- 都道府県労働局の雇用環境・均等部(室):育休の拒否や不利益な扱いについて相談できる
- 総合労働相談コーナー:労働問題全般を無料で相談できる
- 家族や信頼できる同業者:院長への伝え方を一緒に考えてもらう
相談したからといって、すぐに院と対立するわけではありません。第三者から助言をもらうだけでも、院長との話し合いを落ち着いて進めやすくなります。
子育てと両立しやすい職場の見分け方
子育てと両立しやすい整骨院かどうかは、求人票の言葉より、実際に育休や時短勤務を使った人がいるかで判断するのが確実です。見学や面接のときに、遠慮せず確認しておきましょう。
- 男性スタッフの育休の取得実績があるか
- 急な発熱などで休むときに、代わりに入れる体制があるか
- 夜の診療時間が長すぎず、シフトの融通がきくか
女性の働きやすさを考えた職場選びは、男性にとっても参考になります。柔道整復師の女性が働きやすい職場の選び方もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
男性の柔道整復師が育休を取ったら、院に迷惑ですか?
迷惑をかけるかどうかより、早めに伝えて引き継ぎを整えることが大切です。育休は法律で認められた権利で、院が断ることはできません。出産予定日がわかった段階で相談すれば、院もシフトや人員の手配がしやすくなります。
整骨院の就業規則に育休の決まりがなくても取れますか?
取れます。育休は育児・介護休業法で定められた制度なので、就業規則に書かれていなくても申し出できます。ただし労使協定がある院では、入社1年未満の人などが対象外になる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
育休は何日前までに院長へ伝えればいいですか?
法律上は、通常の育休が開始の1か月前まで、産後パパ育休が原則2週間前までです。ただ整骨院は少人数で回していることが多いため、出産予定日がわかった段階で早めに伝えるほうが、関係を保ちながら休みやすくなります。
育休中に給料がなくなると生活が心配です。いくらもらえますか?
雇用保険に入っていれば、休業前賃金の67%の育児休業給付金が出ます。2025年4月からは条件を満たすと13%が最大28日上乗せされ、手取りで10割相当になるとされています。まず雇用保険の加入を給与明細で確認しましょう。
育休を申し出たら辞めるように言われました。どうすればいいですか?
育休の申し出を理由に退職を迫ることは法律で禁止されています。言われた日時や内容をメモに残し、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談しましょう。院を続けるのがつらい場合は、転職も選択肢になります。
まとめ|育休は早めの申し出と給付金の確認から
男性柔道整復師の育休は、整骨院の規模や就業規則の有無にかかわらず取得できる権利です。令和7年度の調査では男性の取得率が50.9%となり、男性が育休を取ることは当たり前になりつつあります。
- 申し出は通常の育休で1か月前、産後パパ育休で原則2週間前まで
- 給付金は休業前賃金の67%、条件を満たせば最初の28日は13%上乗せ
- 雇用保険に入っているかを給与明細で先に確認する
- 取得を妨げられたら、労働局など院の外に相談する
家族との時間を大切にできる働き方は、長く柔道整復師を続けるための土台にもなります。
育休を取りにくい職場で無理を続けるより、子育てと両立できる環境を探すことも一つの選択です。
治療家コネクトでは、退職や転職のご相談を無料で承っています。「まだ辞めるか決めていない」「話を聞いてほしいだけ」という段階でも、まずは相談だけでも大丈夫です。無理に転職をすすめることはありませんので、気軽にLINEからご連絡ください。



