鍼灸師はきつい?理由と働き方別の負担・年収を比較

夜の鍼灸院で頬杖をつき疲れた表情の鍼灸師を描いた水彩タッチのイラスト
  • URLをコピーしました!

「鍼灸師って、思っていたよりきつい」。国家資格を取って働き始めたものの、給料や働き方のギャップに戸惑っている方は少なくありません。

鍼灸師とは、はり師・きゅう師の国家資格を持ち、鍼やお灸を使って体の不調を整える施術者のことです。やりがいのある仕事ですが、職場によって負担の大きさがまったく違います。

この記事では、鍼灸師がきついと言われる理由を厚生労働省などのデータで整理します。そのうえで、病院・美容鍼・訪問など働き方ごとの特徴を比べ、きつさを和らげる職場選びのコツを解説します。

目次

鍼灸師がきついと言われる理由|給料と働き方の現実

鍼灸師がきついと言われる大きな理由は、若手のうちは給料が低めなことと、拘束時間が長く体への負担も大きいことです。特に資格を取って最初の数年は、理想と現実の差を感じやすい時期です。

若手のうちは手取りが少なく感じやすい

鍼灸師の平均年収は、全体で見ると400万円台です。厚生労働省「職業情報提供サイト(jobtag)」では、はり師・きゅう師の平均年収は430.2万円とされています。

ただし、若手のうちは手取りが少なくなりがちです。厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」をもとにした集計では、鍼灸師を含む保健医療従事者の初任給は月給約22.5万円でした。勤務1〜3年目は手取り20万円前後になるケースもあります。

家賃と奨学金の返済を払うと、セミナー代を出す余裕がない。そんな状況で「技術を磨きたいのにお金が続かない」と悩むのは、若手の鍼灸師によくあるケースです。辞めるかどうか迷っている方は、鍼灸師を辞めたいときの考え方をまとめた記事もあわせて読んでみてください。

拘束時間が長く、体への負担も大きい

鍼灸師の仕事は、施術以外の業務も多く拘束時間が長くなりやすい仕事です。患者さんの来院時間に合わせて朝早くから夜遅くまで診療し、受付やカルテ管理、清掃、予約管理まで兼務する院も少なくありません。

中腰での施術が続くため、腰痛など体への負担も大きくなります。夜の最終枠が終わってから翌日の予約を確認し、ベッドを整えて帰るころには日付が変わりそう。そんな日々が続くと、体力より先に気持ちが折れてしまうこともあります。

鍼灸師ならではのきつさ|保険の使いにくさと技術習得

鍼灸師には、ほかの治療家にはない独自のきつさがあります。保険が使いにくいため集客を自力で考える必要があり、一人前になるまでに長い鍛錬と学び続ける努力が求められるからです。

保険が使いにくく、集客の工夫が欠かせない

鍼灸の施術は原則として自費で、保険を使うには医師の同意書が必要です。急性のけがで保険を使える場面がある柔道整復と比べると、患者さんにとって通いやすい料金を出しにくい構造になっています。

さらに、鍼灸院の数は増え続けています。厚生労働省「衛生行政報告例」によると、はり・きゅうの施術所は2012年の23,145カ所から2022年には33,986カ所まで増えました。

働く人も増えています。同じ「衛生行政報告例」では、就業しているはり師は2012年の100,881人から2024年には136,736人になりました。店舗も人も増えた結果、技術だけでなくSNSやWebサイトを使った集客や経営の知識まで求められるようになっています。

技術の習得に時間がかかり、学び続ける負担がある

鍼灸の技術は、一人前になるまでに時間がかかります。脈や舌、お腹の状態から体質を見極める「四診」や、指先の感覚でツボを探す技術は、経験を重ねてはじめて身につくものです。

国家試験に受かることがゴールではありません。2024年(令和6年)のはり師・きゅう師国家試験の結果では、合格率ははり師で約69.3%、きゅう師で約70.2%でした。合格後も医学の進歩に合わせてセミナーや勉強会に通い続ける必要があり、時間とお金の負担を感じる人が多くいます。

鍼灸師のきつさを和らげる働き方|職場別の特徴を比較

鍼灸師のきつさは、働く場所を変えることで和らげられる場合があります。鍼灸院・病院・美容鍼・訪問鍼灸では、給料・休み・体の負担のバランスが大きく異なるため、自分が何をつらいと感じているかに合わせて選ぶことが大切です。

鍼灸院・病院・美容鍼・訪問鍼灸の違い

医療キャリアナビの掲載データ(2026年4月時点)では、鍼灸師の正社員の平均月給は29万2,319円でした。職場ごとの特徴を表にまとめました。

職場 給与の目安 働き方の特徴
鍼灸院・鍼灸整骨院 平均月給 約29.9万〜30.3万円 幅広い症例を経験できる。未経験可の求人が多い
病院・クリニック 正社員月給 20万〜35万円前後 日祝休みが多く福利厚生が安定。求人数は少ない
美容鍼灸サロン 経験3〜5年で年収350万〜450万円 自由診療で成果が収入に反映されやすい
訪問鍼灸 職場により異なる 勤務時間が規則的で、連続施術の負担が少ない

病院では医師の指示のもとで施術するため、自分の判断で施術を変えられない点や、お灸が制限される場合がある点に注意しましょう。体質や不調に幅広く向き合いたい方は、自律神経の施術から広がる鍼灸師のキャリアの記事も参考になります。

きつさに合わせた職場の選び方

職場選びで失敗しないためには、「何がきついのか」を先に決めてから探すことが近道です。次の手順で整理してみてください。

  1. 今のきつさを「給料・時間・体・集客・人間関係」に分けて書き出す
  2. 一番つらいものに合う職場を選ぶ(時間なら病院、体なら訪問、収入なら美容鍼など)
  3. 見学で、1日の施術人数と閉院後の業務量を確認する
  4. 研修制度やセミナー費用の補助があるかを確認する

動くタイミングに迷う場合は、鍼灸師の転職タイミングを年代別に解説した記事で、何年目に動くのがよいかを確認できます。

よくある質問(FAQ)

鍼灸師の給料は低いですか?

平均すると400万円台で、極端に低いわけではありません。厚生労働省のjobtagでは、はり師・きゅう師の平均年収は430.2万円です。ただし若手のうちは手取り20万円前後のこともあり、経験や職場によって大きく差が出ます。

鍼灸師は保険が使えないのですか?

鍼灸の施術は原則として自費ですが、医師の同意書があれば保険を使える場合があります。柔道整復と比べると保険を使える場面が限られるため、自費でも通いたいと思ってもらえる技術や集客の工夫が必要になります。職場の料金設定も確認しておきましょう。

鍼灸師で一番楽な働き方はどれですか?

どれが楽かは、何をきついと感じるかで変わります。時間の負担を減らしたいなら日祝休みが多い病院、体の負担を減らしたいなら連続施術が少ない訪問鍼灸が向いています。自分の優先順位を決めてから、見学で確かめて選びましょう。

鍼灸師は一人前になるまで何年かかりますか?

明確な年数の決まりはありませんが、四診やツボを探す技術は経験を重ねて身につくため、時間がかかる仕事です。資格取得後もセミナーや勉強会で学び続ける必要があり、研修制度のある職場を選ぶと成長しやすくなります。

鍼灸師がきついと感じたら転職すべきですか?

すぐに辞める前に、何がきついのかを整理することをおすすめします。給料・時間・体の負担のどれが原因かによって、合う職場は変わります。原因に合った職場へ移れば、資格を活かしたまま負担を減らせる可能性があります。

まとめ|鍼灸師のきつさは働き方の工夫で変えられる

鍼灸師がきついと言われるのは、若手の給料の低さ、長い拘束時間、保険の使いにくさ、技術習得の難しさが重なるからです。ただし、職場によって負担のかかり方は大きく変わります。

  • 平均年収は400万円台だが、若手のうちは手取り20万円前後のこともある
  • 施術所も就業者も増え、集客や経営の工夫が求められている
  • 技術の習得には時間がかかり、資格取得後も学び続ける必要がある
  • 病院・美容鍼・訪問鍼灸など、きつさに合わせて職場を選べる

「きつい」と感じるのは、鍼灸師に向いていないからとは限りません。自分に合う働き方を見つけることで、鍼灸の仕事を長く楽しめる道が見えてきます。

治療家コネクトでは、退職や転職のご相談を無料で承っています。「今の院を続けるべきか迷っている」「病院や美容鍼の働き方を知りたい」など、どんな段階のお悩みでも大丈夫です。

無理に転職をすすめることはありません。まずは相談だけでも大丈夫ですので、お気軽にLINEからご連絡ください。

夜の鍼灸院で頬杖をつき疲れた表情の鍼灸師を描いた水彩タッチのイラスト

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次