「実際より多く訪問したことにして記録して」「同じ建物の患者さんを、別々に訪問したことにして」。訪問マッサージの事業所で働いていて、こんな指示に不安を感じたことはありませんか。
治療家コネクトは、柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師などの治療家に特化した人材紹介サービスです。「施術記録の書き方を指示されたけど、実際と違う気がする」「施術者の名前が知らないうちに請求に使われていないか心配」
この記事では、訪問マッサージの療養費をめぐって国の検討会でも指摘されてきた不正請求の問題、あん摩マッサージ指圧師が巻き込まれないために気をつけたいこと、おかしいと感じたときの動き方と、健全な事業所の見分け方を解説します。
「今の事業所の請求のやり方が不安」という方は、治療家コネクトのLINE無料相談で話を聞くこともできます。
訪問マッサージの療養費で指摘されてきた問題
訪問マッサージは、医師の同意を得たうえで、健康保険の療養費として施術料や往療料(訪問にかかる費用)を請求できる仕組みです。高齢の患者さんにとって大切なサービスですが、その請求をめぐっては、国の検討会でも問題が指摘されてきました。
往療料をめぐる不正の指摘
2017年3月1日に開かれた厚生労働省のあはき療養費検討専門委員会では、保険者の立場の委員から、不正や不正が疑われる事例があり、特にあん摩マッサージ指圧の往療料に関するものが多いという趣旨の資料が出されています。
安易な同意や重複請求の問題
同じ委員会では、別の委員から、医師の安易な同意や、複数の保険者にまたがる往療料の重複請求といった問題を指摘する資料も出されています。訪問マッサージの請求の仕組みには、確認が行き届きにくい面があることがうかがえます。
受領委任制度で仕組みが整えられた
こうした議論を受けて、2019年1月1日からは、あはき療養費の受領委任制度が始まりました。施術者が登録を受けて保険者に直接請求する仕組みで、不正への対応も強化されています。それでも、事業所ごとに請求のやり方には差があります。
転職相談で聞く訪問マッサージの不安
転職相談では、「1日の訪問件数のノルマが多く、記録をまとめて後から書くよう言われる」「施術記録を事務の人が書き直していた」「辞めた後も自分の名前で請求されていないか不安」という声を聞くことがあります。訪問マッサージは事業所の外で一人で動くことが多く、請求の仕組みが施術者から見えにくい仕事です。だからこそ、自分の記録を自分で守る意識が大切になります。
多くの事業所はまじめに運営している
もちろん、訪問マッサージの事業所の多くは、決まりを守ってまじめに運営しています。問題が指摘されてきたことを知っておくのは、不安をあおるためではなく、自分が働く事業所を見極める目を持つためです。
施術者が巻き込まれやすいパターン
請求の手続きは事業所が行うことが多いため、施術者は自分の名前でどんな請求が出ているかを知らないこともあります。次のような指示には注意しましょう。
実際と違う施術記録を書くよう求められる
訪問していない日に訪問したことにする、施術時間や施術の内容を実際より多く書く、といった指示は、事実と違う請求につながります。施術記録は、実際に行った施術をそのまま書くことが基本です。
同じ建物の患者さんの往療料
同じ施設や建物で複数の患者さんを続けて施術した場合の往療料には、決められた扱いがあります。それぞれ別々に訪問したように記録して請求すると、不正な請求になるおそれがあります。
同意書の取り方に無理がある
患者さんの状態を十分に確認しないまま、医師の同意書を集めることを優先する事業所もあります。施術が必要かどうかを医師が判断するための同意書が、形だけになっていないか気をつけましょう。
名義だけ貸すよう頼まれる
自分が施術していない患者さんの請求に、施術者として名前を使わせてほしいと頼まれることもあります。施術していないのに名前を貸すことは、絶対に避けましょう。
辞めた後の名前の扱いにも注意
退職した後に、自分が施術者として登録されたまま請求が続いていないかも気をつけたい点です。退職するときは、施術者としての登録や名前の扱いがどうなるかを事業所に確認しておきましょう。退職後に気になることがあれば、記録をそろえて相談できます。
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おかしいと感じたときの動き方と事業所の選び方
不正な請求に関わると、施術者自身も責任を問われるおそれがあります。違和感を覚えたら、早めに行動しましょう。
自分の施術記録を手元に残す
訪問した日時、患者さん、施術の時間と内容を、自分でもメモしておきましょう。事業所の記録と違いがないかを確かめる手がかりになります。患者さんの個人情報の扱いには十分注意してください。
事実と違う記録はつけない
事実と違う記録を求められたときは、「実際の内容で記録させてください」と伝え、指示に従わないようにしましょう。指示の内容や日付をメモしておくと、あとで相談するときに役立ちます。
健全な事業所を見分けるポイント
転職先を選ぶときは、施術記録の付け方や、往療料の扱いについて説明してもらえるか、同意書の取り方に無理がないかを確認しましょう。1日の訪問件数のノルマが極端に多い事業所は注意が必要です。訪問マッサージの求人の見方は訪問マッサージ求人の見方にまとめています。
面接で聞いておきたい質問
面接では、「施術記録はいつ、誰が書きますか」「同じ施設で複数の患者さんを施術するときの往療料はどう扱っていますか」「同意書はどのような流れで取っていますか」と聞いてみましょう。丁寧に説明してくれる事業所であれば、請求のルールを大切にしていると考えられます。あいまいな答えしか返ってこない場合は、慎重に判断したほうがよいでしょう。
ひとりで抱え込まない
事業所の請求のやり方に疑問を感じても、職場の中では相談しにくいものです。信頼できる同業の先輩や、業界に詳しい相談先に話を聞いてもらうだけでも、自分がどう動くべきか整理しやすくなります。あん摩マッサージ指圧師の転職先の比較は転職先を比較する記事も参考にしてください。
訪問マッサージは、通院が難しい患者さんの暮らしを支える、やりがいのある仕事です。安心して施術に集中できる事業所を選ぶことが、患者さんのためにも自分のためにもなります。
よくある質問
訪問マッサージの往療料とは何ですか?
施術者が患者さんの自宅や施設を訪問して施術するときに、訪問にかかる費用として請求できるものです。一定の条件があり、事実と違う請求は認められません。
事業所の指示で記録を書いた場合も責任を問われますか?
事実と違う記録にもとづく請求に関わると、施術者自身も責任を問われるおそれがあります。指示があっても、実際の内容で記録しましょう。
受領委任制度とは何ですか?
2019年1月1日から始まった、あはき療養費の仕組みです。登録を受けた施術者が、保険者に直接療養費を請求できます。
医師の同意書はなぜ必要なのですか?
マッサージを療養費の対象として受けるには、医師が施術が必要だと判断した同意が必要です。形だけの同意にならないよう注意が必要です。
事業所の請求がおかしいと感じたらどうすればいいですか?
自分の施術記録を残し、事実と違う記録はつけないようにしましょう。納得できないときは、転職も含めて働き方を見直すことをおすすめします。
退職後に自分の名前で請求されていないか心配です。
退職するときに、施術者としての登録や名前の扱いを事業所に確認しておきましょう。気になることがあれば、記録をそろえて相談してください。
面接で請求のことを聞いても失礼になりませんか?
施術記録や往療料の扱いを確認するのは、働く人として大切なことです。丁寧に説明してくれるかどうかは、事業所を見極める手がかりにもなります。
1日の訪問件数のノルマが多いのは問題ですか?
件数が多いこと自体がすぐに問題になるわけではありませんが、記録を後からまとめて書くよう求められるなど、実際の施術と記録がずれやすくなる点には注意が必要です。
まとめ
訪問マッサージの療養費は高齢の患者さんにとって大切な仕組みですが、往療料の不正や重複請求、安易な同意といった問題が国の検討会でも指摘されてきました。施術者が巻き込まれないためには、実際の施術をそのまま記録し、事実と違う記録や名義貸しには応じないことが大切です。違和感を覚えたら記録を残し、健全に運営している事業所で働くことも考えましょう。
治療家コネクトでは、退職や転職のご相談を無料で承っています。今の事業所の請求のやり方に不安がある方、誠実に運営している訪問マッサージの事業所を探したい方も、お気軽にご連絡ください。まずは相談だけでも大丈夫です。



