「鍼灸師の求人を探していたら、整骨院の募集ばかり出てくる」「整骨院で働いたら、鍼をあまり打てないのでは?」。鍼灸師が整骨院で働くことについて、こうした迷いを持つ方は少なくありません。
整骨院は柔道整復師の職場というイメージが強いため、鍼灸師が入って大丈夫なのか不安になるのは自然なことです。一方で、鍼灸と柔整の両方を扱う院は多く、鍼灸師が活躍している職場もたくさんあります。
この記事では、鍼灸師が整骨院で働くときの仕事内容、給料の目安、向いている人、求人票と見学で確認したいポイントを、公的な統計や求人データをもとに解説します。
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鍼灸師が整骨院で働くのはあり?結論と業界の現状
鍼灸師が整骨院で働くのは、十分に「あり」な選択です。鍼灸施術を担当できる院を選べば、幅広い症状を経験しながら臨床の基礎と接客の力を身につけられます。
整骨院で働く鍼灸師とは、柔道整復師と同じ院に所属し、鍼灸施術や手技、受付・院運営などを担当する鍼灸師のことです。「鍼灸接骨院」「鍼灸整骨院」という名前の院が多いのは、両方の施術を提供しているためです。
数字で見る鍼灸師と整骨院の関係
厚生労働省の「令和6年衛生行政報告例」によると、2024年末時点で就業しているはり師は136,736人、柔道整復師は78,666人です。鍼灸師は柔道整復師より人数が多く、働く場所の選び方が重要になります。
同じ調査では、柔道整復の施術所は50,924か所、はり及びきゅうを行う施術所は35,494か所とされています。数の多い整骨院は、鍼灸師にとっても身近な就職先の一つです。
鍼灸師の求人に整骨院が多い理由
整骨院が鍼灸師を募集するのは、柔整の施術だけではカバーしにくい症状に対応したいからです。慢性的な痛みや自律神経の不調、美容鍼など、鍼灸ならではのメニューを求める患者さんが増えています。
- 慢性の肩こり・腰痛など、長く続く痛みへの施術
- 自律神経の乱れや婦人科系の不調への施術
- 美容鍼など、自費メニューの担当
- スポーツ外傷後のコンディショニング
午前の受付が始まると、ぎっくり腰の患者さんは柔整師が担当し、慢性の首こりで通う患者さんは鍼灸師がベッドに案内する。そんな分担が自然にできている院では、鍼灸師の役割がはっきりしています。
整骨院での鍼灸師の仕事内容と給料の目安
整骨院での鍼灸師の仕事は、鍼灸施術だけでなく、手技や物理療法、受付、院の運営業務まで幅広いのが特徴です。給料は月給23万〜30万円程度が一つの目安です。
「鍼を打つ時間が思ったより少なかった」と感じる人がいるのは、院によって鍼灸の比重が大きく違うためです。入る前に仕事の割合を確認しておくことが、後悔しないための近道です。
1日の主な仕事内容
整骨院の鍼灸師は、問診から施術、アフターケアの説明まで一人の患者さんを通して担当することが多くあります。院の規模によっては、受付や片付けも分担します。
- 問診・検査と施術方針の説明
- 鍼灸施術、手技によるマッサージ、電気治療などの物理療法
- ストレッチやセルフケアの指導
- 受付・会計・予約管理、カルテ記入
- 院内の清掃や、SNS・チラシなどの集客業務
健康保険を使う施術にも注意が必要です。はり・きゅうの施術を保険で受けるには、原則として医師の同意書が必要です。厚生労働省によると、施術者が患者さんに代わって療養費を請求する「受領委任制度」は2019年1月1日から始まっています。保険の鍼灸をどの程度扱う院かも、仕事内容を左右します。
給料の目安と給与体系
整骨院で正社員として働く鍼灸師の給料は、月給23万〜30万円程度、年収にすると350万〜450万円前後が目安とされています。求人サイトの医療キャリアナビの2026年のデータでは、平均月給は約29.9万円です。
| 給与体系 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 固定給 | 毎月の収入が安定しやすい | まず臨床経験を積みたい人 |
| 固定給+歩合 | 指名や自費メニューの売上が給料に上乗せされる | 施術や接客に自信がある人 |
| 歩合中心 | 売上次第で収入が大きく変わる | 集客力があり収入の波に耐えられる人 |
歩合が大きい求人は、条件の読み方を間違えると手取りが不安定になります。給与体系の違いは、歩合制の整骨院と固定給の違いでも詳しく解説しています。
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整骨院で働くのが向いている鍼灸師と求人の見方
整骨院が向いているのは、幅広い症状を経験したい人や、将来の開業に向けて接客と院運営を学びたい人です。求人を見るときは「鍼灸を担当できる割合」と「教育体制」を必ず確認しましょう。
同じ整骨院でも、鍼灸をメインに任せる院もあれば、ほとんど手技と受付で終わる院もあります。求人票の言葉だけで判断せず、見学で実際の様子を見ることが大切です。
整骨院が向いている人・向いていない人
整骨院は、患者さんの数が多く、短い時間で多くの施術をこなす職場が多い傾向にあります。自分の希望する働き方と合っているかを考えてみましょう。
- 向いている人:たくさんの患者さんを診て経験を積みたい人
- 向いている人:接客や集客、院の運営も学んで将来の開業に生かしたい人
- 向いていない人:一人の患者さんにじっくり時間をかけて鍼灸だけを行いたい人
- 向いていない人:美容鍼など特定の分野に専念したい人
美容鍼に専念したい方は、美容鍼サロンへの転職の向き不向きもあわせて読んでみてください。
求人票と見学で確認したいポイント
整骨院の求人は、鍼灸師にとって大事な情報が書かれていないことがよくあります。応募前と見学のときに、次の順番で確認すると判断しやすくなります。
- 1日のうち鍼灸施術を担当する時間はどのくらいか
- 鍼灸のメニューは保険中心か、自費中心か
- 鍼灸師の先輩がいるか、技術を教わる仕組みがあるか
- 固定給と歩合の内訳、残業代の扱い
- 休憩時間や閉院後の練習が実際にどうなっているか
研修が充実している院は多く、医療キャリアナビのデータでは鍼灸師の整骨院求人の79%が未経験可とされています。ただし「未経験可」でも教える人がいない院もあるため、見学で先輩の働き方を確かめましょう。
働き始めてから違和感を覚えたら
入ってみて「鍼をほとんど打たせてもらえない」「売上のノルマがきつい」と感じたら、一人で我慢し続けないことが大切です。長時間労働や理不尽な指示が続くなら、ブラック鍼灸院で辞めるべきサインも確認してください。
よくある質問
鍼灸師の資格だけで整骨院に就職できますか?
はい、鍼灸師の資格だけで就職できる整骨院は多くあります。鍼灸接骨院のように両方の施術を行う院では、鍼灸師を正社員として募集していることが珍しくありません。ただし柔道整復の施術はできないため、どの業務を担当するかを応募前に確認しましょう。
整骨院で働く鍼灸師の給料はどのくらいですか?
正社員なら月給23万〜30万円程度、年収350万〜450万円前後が一つの目安です。固定給か、歩合が上乗せされるかで手取りは変わります。求人票では基本給と歩合の内訳、残業代の扱いまで確認しておくと安心です。
整骨院では鍼をあまり打てないって本当ですか?
院によって大きく違うというのが実際のところです。鍼灸をメインに任せる院もあれば、手技や受付が中心になる院もあります。見学のときに、鍼灸師が1日に何人くらい鍼灸施術をしているかを聞くと、入職後のイメージがつかみやすくなります。
整骨院の経験は将来の鍼灸院開業に役立ちますか?
役立つ場面は多くあります。整骨院では施術だけでなく、受付や予約管理、集客、患者さんとの関係づくりなど、院の運営全体を経験できるからです。開業を考えている方は、経営の様子を見せてもらえる院を選ぶと学びが大きくなります。
まとめ
鍼灸師が整骨院で働くのは、臨床経験と院運営の両方を学べる十分にありな選択です。ただし、鍼灸の比重や給与体系は院によって大きく違います。
- 整骨院は鍼灸師にとって身近で求人の多い職場
- 仕事は鍼灸施術のほか、手技・受付・院運営まで幅広い
- 給料は月給23万〜30万円程度が目安で、歩合の有無で変わる
- 求人票と見学で「鍼灸を担当できる割合」と教育体制を確認する
自分がどんな鍼灸師になりたいかを考えたうえで、その経験が積める整骨院を選んでください。
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