歩合制の整骨院はやめとけ?固定給との違いと求人の見方

夕方の施術室で空きの多い予約表を見て、歩合制の給料を心配する男性の柔道整復師のイラスト
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「歩合制だから、頑張った分だけ稼げます」。整骨院の求人でこの言葉を見て、気持ちが揺れたことはありませんか。

歩合制の整骨院は、仕組みを理解して選べば収入を伸ばせる働き方です。ただし、基本給の保障が弱い院では、患者さんが減った月に収入が大きく下がります。

歩合制とは、施術件数や売上に応じて給与の一部または全部が決まる給与体系のことです。この記事では、柔道整復師が歩合制の求人を見るときの判断基準を、法律と公的データをもとに解説します。

「今の給与体系が妥当なのか知りたい」という方は、治療家コネクトのLINE無料相談で話を聞くこともできます。

目次

歩合制の整骨院はやめとけと言われる理由

歩合制の整骨院がやめとけと言われる最大の理由は、収入が自分の努力以外の要因で大きく変わるからです。患者数や季節、院の集客力によって、同じ働き方でも月給がぶれます。

厚生労働省の「衛生行政報告例」(2024年末)によると、柔道整復の施術所は50,924か所で、前回(2022年)から8か所の増加にとどまりました。施術所の数が高い水準のまま横ばいで、地域によっては患者の取り合いが続いています。

収入が患者数に左右されやすい

完全歩合や、基本給が極端に低い歩合制では、患者さんが少ない月は収入がそのまま減ります。梅雨どきや年末年始など、来院が落ち込む時期は特に影響が出やすくなります。

予約表が空いている午後、受付で手持ちぶさたに待つ時間が続く。そんな日が重なると、収入の不安が施術への集中力まで奪ってしまいます。

また、歩合制では「どの施術をどれだけしたか」が収入に直結するため、スタッフ同士で患者さんを取り合う空気が生まれることもあります。新患の担当をどう決めているかは、見学のときに聞いておきたいポイントです。

売上ノルマや自費メニューの営業につながりやすい

歩合の対象が「自費メニューの売上」の場合、回数券や物販の販売を強く求められることがあります。患者さんのためではなく、売上のための提案が増えると、やりがいを感じにくくなります。

一方で、患者さんに合う施術を提案した結果として収入が増えるなら、歩合制は大きなやりがいにもなります。問題は歩合制そのものではなく、仕組みと院の方針です。

さらに、歩合の計算方法が書面で決まっておらず、院長の判断で毎月変わる職場もあります。「今月は院の売上が悪かったから」と歩合率を下げられると、頑張りが報われません。計算方法が就業規則や賃金規程に書かれているかを確認しましょう。

歩合制と固定給の違い|給与体系ごとの比較

歩合制と固定給の違いは、「収入の安定」と「上限の高さ」のどちらを重視するかです。今の自分の生活状況とキャリアの段階に合わせて選ぶことが大切です。

給与体系ごとのメリット・デメリット

給与体系 メリット デメリット
固定給 毎月の収入が安定する 成果を出しても給与に反映されにくい
固定給+歩合 生活の土台を保ちつつ上乗せを狙える 歩合の条件しだいで上乗せがほぼない
完全歩合 売上が多ければ高収入も可能 患者数が減ると収入が大きく下がる

経験が浅いうちは、固定給か「固定給+歩合」の院で技術と集患の力をつけ、自信がついてから歩合の比率が高い働き方を選ぶ人も多くいます。

歩合制でも最低限の保障はある

歩合制であっても、雇用契約で働く限り、法律による収入の下支えがあります。

労働基準法第27条では、出来高払制などで働く労働者について、使用者は労働時間に応じて一定額の賃金を保障しなければならないと定めています。雇用されている以上、「患者がゼロなら給料もゼロ」という扱いは認められません。

さらに、歩合を含めた給与は最低賃金を下回ってはいけません。2026年度の地域別最低賃金は全国加重平均で1,177円となり、10月から順次引き上げられています(労働政策研究・研修機構の報道による)。時給に直して最低賃金を下回る月がないか、一度計算してみましょう。

給与を時給に換算する方法は、柔道整復師の実質年収を時給換算で確かめる方法で詳しく紹介しています。

給与明細に「歩合給」の内訳が書かれているかどうかも大切です。施術件数や売上と、歩合額の関係が明細から読み取れれば、計算の誤りに自分で気づけます。内訳がまったく書かれていない場合は、計算の根拠を説明してもらいましょう。

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歩合制の整骨院の求人を見極める5つのチェックポイント

歩合制の求人では、「最高月収」より「基本給と歩合の計算方法」を確かめることが大切です。次の5点を確認すれば、入社後に想定と違ったという失敗を大きく減らせます。

応募前・面接で確認すること

  1. 基本給の金額と、基本給だけで生活できるか
  2. 歩合の対象(保険施術・自費施術・物販のどれか)と計算方法
  3. スタッフの平均的な歩合額(最高額ではなく平均)
  4. 患者数が少ない月の最低保障の有無
  5. 残業代が歩合とは別に支払われるか

「頑張れば月収50万円も可能」という書き方は、最高額の例であることがほとんどです。面接では「スタッフの皆さんは平均でどのくらいですか」と聞くと、実態に近い数字がわかります。

固定残業代が含まれている場合の注意点は、柔道整復師の年収に潜む「みなし残業代」の罠もあわせて確認してください。

可能であれば、見学の日に実際の予約表の埋まり具合も見せてもらいましょう。平日の昼と夕方で患者数がどのくらい違うかがわかれば、歩合でどの程度稼げるかの目安になります。

歩合制が向いている柔道整復師

歩合制が向いているのは、すでに担当患者がついていて、自費施術の提案にも自信がある人です。施術後の説明やセルフケアの指導が得意な人は、リピートにつながりやすく、歩合の恩恵を受けやすくなります。

反対に、経験1〜2年目の方や、家計を一人で支えている方は、収入の安定を優先したほうが安心です。自費施術で収入を伸ばす考え方は、自費施術の導入で年収を伸ばす方法も参考になります。

どちらの給与体系を選ぶにしても、1年後・3年後にどのくらいの収入を目指したいかを先に決めておくと、求人を比べる基準がはっきりします。目標から逆算して、今の自分に合う院を選びましょう。

よくある質問(FAQ)

整骨院の歩合制で、月の給料が最低賃金を下回ることはありますか?

雇用契約で働いている場合、歩合を含めた給与が最低賃金を下回ることは認められません。下回る月があれば、院は差額を支払う必要があります。給与明細と勤務時間を記録し、時給に直して確認しておきましょう。

完全歩合の整骨院は違法ですか?

雇用契約で完全歩合とし、患者がいない月の給与をゼロにすることは、労働基準法の保障給の考え方に反するおそれがあります。業務委託契約の場合は扱いが異なるため、契約の形をまず確認しましょう。

歩合制の整骨院に転職するなら、経験何年目からがいいですか?

目安としては、担当患者をもち、自費施術の説明も自分でできるようになってからが安心です。年数よりも、リピートしてくれる患者さんがいるかどうかで判断するとよいでしょう。

面接で歩合の平均額を聞いたら印象が悪くなりますか?

聞き方に気をつければ印象が悪くなることはほとんどありません。「入社後の生活設計を立てたいので」と理由を添えて、スタッフの平均的な金額を聞くのがおすすめです。答えをはぐらかす院は慎重に検討しましょう。

歩合制の整骨院で、有給休暇を取ると給料は減りますか?

有給休暇を取った日も、院は一定の賃金を支払う必要があります。ただし、歩合部分の扱いは計算方法によって異なり、平均賃金などで計算されるのが一般的です。休むたびに大きく減る場合は、賃金規程の定めを確認しましょう。

まとめ

歩合制の整骨院は、仕組みしだいで「稼げる職場」にも「不安定な職場」にもなります。大切なのは、最高月収ではなく基本給と歩合の計算方法を確認することです。

  • 歩合制は患者数や院の集客力に収入が左右されやすい
  • 雇用なら労働時間に応じた保障給と最低賃金のルールがある
  • 求人では基本給・歩合の対象・平均額・最低保障・残業代を確認する
  • 経験が浅いうちは、収入の安定を優先した選び方が安心

迷ったときは、今の収入と生活費を書き出し、基本給だけで暮らせるかを確かめてから応募先を決めると安心です。

自分の経験と生活に合った給与体系を選ぶことが、長く働き続けるための近道です。

治療家コネクトでは、退職や転職のご相談を無料で承っています。歩合制と固定給のどちらが合うか迷っている方も、お気軽にご相談ください。

まずは相談だけでも大丈夫です。話してみることで、気持ちや考えが整理できることもあります。

夕方の施術室で空きの多い予約表を見て、歩合制の給料を心配する男性の柔道整復師のイラスト

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