整骨院の退職時に競業避止の誓約書を書かされたら?近くの院に転職できるかと注意点

院長室で誓約書を前に迷う女性柔道整復師と「その誓約書、サイン必要?」と書かれたホワイトボード
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「辞めるなら、半径○km以内の整骨院では働かないと誓約書に書いて」「同じ地域で開業したら損害賠償を請求する」。整骨院を辞めるときに、こんなことを言われて不安になっていませんか。

治療家コネクトは、柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師などの治療家に特化した人材紹介サービスです。「退職の話をしたら、競業禁止の誓約書を出された」「誓約書にサインしたから、近所の院には転職できないと思っていた」

この記事では、退職時に競業避止(きょうぎょうひし)の誓約書を求められたときに知っておきたい考え方、誓約書が有効かどうかを判断するポイント、サインする前の注意点と相談先を、大阪府の労働相談の資料などをもとに解説します。

「誓約書のせいで転職先が決められない」という方は、治療家コネクトのLINE無料相談で話を聞くこともできます。

目次

競業避止の誓約書とは?なぜ整骨院で求められるのか

競業避止の誓約書とは、退職した後に、元の職場と競合する仕事をしないことを約束させる書類です。整骨院では「近くの院で働かない」「同じ地域で開業しない」「患者さんを連れて行かない」といった内容が多く見られます。

院が誓約書を求める理由

整骨院は地域の患者さんが中心のため、スタッフが近くの院に移ったり開業したりすると、患者さんが流れるのではないかと院長が心配することがあります。施術のノウハウや患者さんの情報を守りたいという理由もあります。

働く人には職業選択の自由がある

一方で、働く人には、憲法22条で職業選択の自由が保障されています。柔道整復師が資格を生かして働ける場所は、整骨院や接骨院が中心です。退職後に同じ仕事ができなくなれば、生活に大きな影響が出てしまいます。そのため、競業避止の約束は、内容によっては無効と判断されることがあります。

誓約書があっても必ず有効とは限らない

大阪府の労働相談の資料では、退職後の競業避止の約束が有効かどうかは、いくつかの事情を総合的に見て判断されると説明されています。サインしたからといって、どんな内容でも守らなければならないわけではありません。

転職相談で聞く誓約書の例

転職相談では、「同じ市内の整骨院では3年間働かない」「退職後に患者さんと連絡を取らない」「違反したら違約金を払う」といった誓約書の話を聞くことがあります。なかには、退職を申し出たあとに急に書類を出され、断りにくい雰囲気の中でサインしてしまったという人もいます。内容がよくわからないまま書いてしまったとしても、あきらめずに内容を確認することが大切です。

誓約書が有効かを判断する6つのポイント

退職後の競業避止の約束が有効かどうかは、主に次の6つの点から判断されます。自分が求められている誓約書の内容と照らし合わせてみましょう。

守るべき院の利益と、働いていた立場

1つ目は、院に守るべき利益があるかどうかです。院独自の施術方法や経営のノウハウ、患者さんの情報などが当てはまります。2つ目は、働いていた人の立場です。院長に近い立場で経営に関わっていた人と、一般のスタッフとでは、制限できる範囲が違ってきます。

地域・期間・仕事の範囲

3つ目は地域の範囲、4つ目は期間の長さ、5つ目は禁止される仕事の範囲です。「全国どこでも」「期間の定めなし」「治療に関わる仕事はすべて禁止」のように、範囲が広すぎる約束は有効と認められにくくなります。

代わりの手当(代償措置)があるか

6つ目は、制限の代わりに手当などの代償措置があるかどうかです。競業を制限するのに見合うお金や待遇がまったくない場合は、働く人の不利益が大きいと判断されやすくなります。

違約金を決めておく約束にも注意

「違反したら違約金○万円」のように、あらかじめ違約金の額を決めておく誓約書もあります。労働基準法16条では、労働契約を守らなかった場合の違約金や損害賠償の額をあらかじめ決めておくことが禁止されています。在職中の契約にこうした決まりがある場合は、特に注意が必要です。

6つのポイントで自分の誓約書を見直す

手元の誓約書を見ながら、「院のどんな利益を守るためか書かれているか」「自分の立場に見合った内容か」「地域や期間は限られているか」「禁止される仕事ははっきりしているか」「代わりの手当はあるか」を書き出してみましょう。当てはまらない項目が多いほど、範囲の広すぎる約束である可能性があります。

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サインする前の注意点と相談先

退職の手続きの流れで、その場でサインを求められることもあります。あわてて書かずに、内容を確認してから判断しましょう。

その場ですぐサインしない

「持ち帰って確認させてください」と伝えて、写しをもらいましょう。誓約書へのサインは、退職するための条件ではありません。サインしないことを理由に、退職そのものを認めないということはできません。退職の伝え方は院長へ辞める時の言い方も参考になります。

入職時の誓約書や就業規則も確認する

入職したときに、すでに競業避止の誓約書にサインしていることもあります。どんな内容にサインしたのか、就業規則に競業避止の決まりがあるのかを確認しておきましょう。内容を覚えていない場合は、写しを見せてもらうよう頼んでみてください。

患者さんの情報の持ち出しは別の問題

競業避止が無効だとしても、患者さんの個人情報やカルテを持ち出したり、在職中に患者さんを転職先へ誘ったりすることは、別のトラブルにつながります。転職や開業をするときは、元の院の情報を使わないように気をつけましょう。

困ったときの相談先

誓約書の内容に納得できないとき、損害賠償を請求すると言われたときは、都道府県の労働相談窓口や労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。誓約書の写しや、院長から言われたことのメモを持っていくと話が進めやすくなります。

転職先にも正直に伝えておく

競業避止の誓約書にサインしている場合は、応募先の院にもそのことを伝えておくと、入職後のトラブルを防げます。あわせて、元の院の患者さんの情報を持ち込まないことを、自分の中でもはっきり決めておきましょう。退職全体の流れは柔道整復師の退職マニュアルにまとめています。

誓約書の問題は、退職の手続きと重なってストレスになりやすいものです。ひとりで抱え込まず、早めに相談して、次の職場探しを止めないようにしましょう。

よくある質問

競業避止の誓約書は必ず守らないといけませんか?

必ずではありません。職業選択の自由があるため、守るべき利益、立場、地域、期間、仕事の範囲、代償措置などを総合的に見て、範囲が広すぎる場合は無効と判断されることがあります。

誓約書へのサインを断ることはできますか?

断ることはできます。サインは退職の条件ではないので、サインしないことを理由に退職を認めないということはできません。

近くの整骨院に転職したら損害賠償を請求されますか?

請求すると言われることはありますが、約束が有効かどうか、実際に院にどれだけの損害があったかが問われます。不安なときは、誓約書の写しを持って労働相談窓口に相談しましょう。

退職後に開業するのも禁止されますか?

誓約書に開業の禁止が書かれていることもありますが、地域や期間が広すぎる場合は有効と認められにくくなります。開業を考えている人は、誓約書の内容を早めに確認しておきましょう。

患者さんが自分を追いかけて来てくれた場合は?

患者さんが自分の意思で通う院を選ぶことは自由です。ただし、元の院の患者さんの情報を使って誘うことは避けましょう。

違約金を払うと書かれた誓約書にサインしてしまいました。

労働基準法16条では、契約を守らなかった場合の違約金をあらかじめ決めておくことが禁止されています。書かれた金額をそのまま払う必要があるとは限らないので、労働相談窓口に相談してください。

在職中に競業避止を求められるのも問題ですか?

在職中は、働いている院と競合する仕事を控えるのが一般的です。副業などで別の院でも働きたい場合は、就業規則を確認し、院に相談してから始めましょう。

まとめ

退職時に求められる競業避止の誓約書は、サインしたからといって必ず有効になるわけではありません。守るべき利益、働いていた立場、地域・期間・仕事の範囲、代償措置などを総合的に見て判断されます。その場ですぐサインせず、写しをもらって内容を確認しましょう。損害賠償を請求すると言われて不安なときは、労働相談窓口に相談できます。

治療家コネクトでは、退職や転職のご相談を無料で承っています。誓約書が気になって転職先を決められない方、退職の進め方に迷っている方も、お気軽にご連絡ください。まずは相談だけでも大丈夫です。

院長室で誓約書を前に迷う女性柔道整復師と「その誓約書、サイン必要?」と書かれたホワイトボード

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