「月給30万円以上と書いてあったのに、実際は歩合込みの最高額だった」「残業ほぼなしのはずが、毎日21時まで帰れない」。整骨院に入ってから「求人と話が違う」と気づく柔道整復師は、残念ながら少なくありません。
治療家コネクトは、柔道整復師・鍼灸師などの治療家に特化した人材紹介サービスです。日々の転職相談のなかで、求人票の言葉と現場の実態がずれてしまうケースをよく耳にします。
この記事では、人材紹介の立場から見えてきた「求人と実際が違う」が起きやすい業界の事情、入社前に見抜くための質問、入社後に条件が違ったときの法律上の対処法を、公的機関の情報をもとに解説します。
「入ってみたら話が違った」という方は、治療家コネクトのLINE無料相談で話を聞くこともできます。
整骨院の求人と実際が違うのはなぜ?業界の裏側
整骨院の求人と実際が違ってしまう主な原因は、「最高額や理想の状態を求人に書く」「口頭の説明と書面が違う」「入社後に条件が変わる」の3つです。悪意のある院だけでなく、条件を整理しきれていない院でもズレは起こります。
求人と実際が違うとは、求人票や面接で示された給料・勤務時間・仕事内容などが、入社後の実際の条件と食い違っている状態のことです。小さな院が多い業界では、採用の仕組みが整っていないこともズレの原因になります。
転職相談でよく聞く「話が違う」パターン
治療家の転職相談では、次のようなズレの話がよく出てきます。どれも求人票の書き方だけでは見抜きにくいものです。
| 求人票の書き方 | 入社後によくある実態 |
|---|---|
| 月給30万円以上 | 歩合をすべて達成したときの最高額で、実際の手取りはかなり低い |
| 残業ほぼなし | タイムカードを切った後の片付けや練習が毎日ある |
| 週休2日 | 休みのうち1日は研修や勉強会でつぶれる |
| 未経験歓迎・研修充実 | 教える人がおらず、入社翌週から一人で施術 |
| 正社員 | 実際は業務委託契約で、社会保険に入れない |
業界特有の事情がズレを生む
整骨院は院長一人が経営と採用を兼ねている小さな職場が多く、求人票を作り慣れていない院もあります。人手不足のなかで応募を集めたいあまり、良い面だけを大きく書いてしまうこともあります。
また、歩合や手当が複雑な給与体系は、求人票の短い欄では正しく伝わりにくいものです。面接で「頑張れば稼げるよ」と言われ、その言葉を信じて入社したら、ノルマの条件が厳しかったという話も珍しくありません。
見学の日は笑顔で迎えてくれたスタッフが、入社後の閉院時間を過ぎても誰も帰ろうとしない。そんな光景に、初めて職場の本当の姿を知る人もいます。
求人のズレを入社前に見抜く方法
求人のズレを防ぐ一番の方法は、口頭の説明をうのみにせず、労働条件を書面で確認し、見学や面接で具体的な数字を聞くことです。法律でも、求人の内容を正確に示すことが求められています。
「聞きにくい」と遠慮しているうちに入社日が来てしまうのが、ズレに気づけない一番の理由です。聞き方を工夫すれば、角を立てずに確かめられます。
求人の表示には法律のルールがある
栃木労働局の案内によると、2022年10月1日に施行された改正職業安定法で、求人情報を的確に表示し、虚偽や誤解を招く表示をしないこと、情報を正確で最新の状態に保つことが求められるようになりました。
同じ案内では、2024年4月1日から、募集のときに明示すべき労働条件に「従事すべき業務の変更の範囲」なども加わったとされています。求人の段階から、条件をはっきり示すことが求められる流れになっています。
見学・面接で聞いておきたい質問
求人と実態のズレを見抜くには、「ありますか」ではなく「どのくらいですか」と数字で聞くのがコツです。次の質問を順番に確認してみましょう。
- 入社1年目のスタッフの、実際の月の手取りはどのくらいですか
- 歩合が付く条件と、達成している人の割合はどのくらいですか
- 閉院後、スタッフは何時ごろに帰っていますか
- 休日に研修や勉強会が入ることはありますか
- 雇用契約ですか、業務委託ですか。社会保険には入れますか
求人票に「みなし残業」「固定残業代」と書かれている場合は、何時間分が含まれているかも必ず確認してください。詳しくは柔道整復師の求人のみなし残業代の注意点で解説しています。
内定が出たら必ず書面で確認する
内定が出たら、労働条件通知書や雇用契約書を受け取り、面接で聞いた内容と一致しているかを確認しましょう。書面をもらえない、または面接の説明と違う場合は、承諾する前に質問することが大切です。確認する項目は、整骨院の内定承諾前に確認することにまとめています。
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入社後に求人と違うと気づいたときの対処法
入社後に条件が求人や説明と違うと気づいたら、まず違いを記録し、院に書面で確認・改善を求めましょう。労働基準法では、明示された労働条件が事実と違う場合、労働者はすぐに契約を解除できると定められています。
「入ったばかりだから我慢しよう」と考える必要はありません。条件の違いは、あなたの責任ではないからです。
労働基準法第15条で守られていること
栃木労働局の解説によると、労働基準法第15条では次のことが定められています。
- 使用者は、採用のときに賃金や労働時間などの労働条件を書面などで示さなければならない
- 示された労働条件が事実と違う場合、労働者はすぐに労働契約を解除できる
- 仕事のために引っ越した人が、契約を解除した日から14日以内に帰郷する場合、使用者は旅費を負担しなければならない
遠方の整骨院に就職するために引っ越した方は、帰郷の旅費についても覚えておくと安心です。
条件の違いに気づいたらやること
すぐに辞めるかどうかを決める前に、次のものをそろえておくと、院との話し合いや外部への相談がスムーズになります。
- 求人票の画面の保存や印刷
- 労働条件通知書や雇用契約書
- 面接や見学での説明をメモしたもの、LINEやメールのやりとり
- 給与明細と、実際の出退勤の記録
院と話しても改善されない場合は、労働基準監督署や労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。試用期間中で辞めるか迷っている方は、整骨院を試用期間で辞めたいときの判断基準も参考にしてください。
次の転職で同じ失敗を繰り返さないために
一度「話が違う」経験をすると、次の職場選びも不安になるものです。求人票だけで判断せず、見学で実際の働き方を見ることと、第三者から院の情報を聞くことが、同じ失敗を防ぐ近道になります。
求人票の言葉の読み方は、ブラックな求人の見分け方でも詳しく紹介しています。
よくある質問
整骨院の給料が求人票より低かったら違法ですか?
労働条件通知書などで示された給料より実際が低い場合は、労働基準法第15条の問題になり、契約をすぐに解除できる場合があります。求人票の金額が歩合込みの最高額だっただけなら、書面の条件を確認することが大切です。まずは書面と給与明細を見比べましょう。
入社前に聞いた条件と違う場合、すぐに辞めてもいいですか?
はい、明示された労働条件が事実と違う場合、労働基準法では労働者がすぐに契約を解除できると定められています。ただし、後でもめないよう、求人票や労働条件通知書、面接のメモなど、条件が違うことを示す記録を残してから伝えましょう。
面接で給料や残業のことを詳しく聞くと印象が悪くなりますか?
聞き方を工夫すれば、印象が悪くなることはほとんどありません。「長く働きたいので、実際の働き方を知っておきたいです」と前置きして聞くと、前向きな質問として受け取ってもらえます。むしろ条件をあいまいにしたまま入社するほうがリスクです。
求人と実際が違う整骨院はどこに相談すればいいですか?
労働条件の違いは労働基準監督署や労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。求人の表示そのものに問題がある場合は、労働局の職業安定部門が窓口になります。次の職場探しも含めて相談したい場合は、治療家に詳しい転職支援サービスを使う方法もあります。
まとめ
整骨院の求人と実際が違うことは、業界の事情から起こりやすい問題です。ただし、求人の表示にも労働条件の明示にも法律のルールがあり、働く側は守られています。
- ズレの多くは「最高額の表示」「口頭と書面の違い」「入社後の変更」から起こる
- 2022年10月から、求人の的確な表示が法律で求められている
- 見学・面接では「どのくらい」と数字で聞き、内定後は書面で確認する
- 条件が事実と違えば、労働基準法第15条ですぐに契約を解除できる
「話が違う」と感じたら、一人で抱え込まずに記録を残し、早めに相談してください。
治療家コネクトでは、退職や転職のご相談を無料で承っています。求人票だけでは分からない職場の実態を知りたい方、今の職場の条件に疑問がある方も、お気軽にご連絡ください。まずは相談だけでも大丈夫です。



