年俸制の整骨院は残業代が出ない?柔道整復師が知りたい給与の確認点

給与明細と雇用契約書を見比べて年俸制の残業代に疑問を持つ柔道整復師のイラスト
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「うちは年俸制だから、残業代は出ないよ」。整骨院の面接や入社後に、院長からこう言われて戸惑った柔道整復師は少なくありません。

年俸制の整骨院でも、法定労働時間を超えて働けば、原則として残業代(割増賃金)は支払われます。この記事では、年俸制の仕組み、残業代が出ないと言われたときの確認点、求人や契約書で見ておきたいポイントを、厚生労働省の情報をもとに解説します。

「自分の給与が正しく計算されているか不安」という方は、治療家コネクトのLINE無料相談で給与体系について相談することもできます。

目次

整骨院の年俸制とは?月給制との違い

年俸制とは、1年間の給与総額をあらかじめ決めて、それを分割して毎月支払う給与体系のことです。年俸で決めても、給与は毎月1回以上、決まった日に支払う必要があります。

労働基準法第24条は、賃金を毎月1回以上、一定の期日に支払うよう定めています。年俸480万円なら、12分割して月40万円、または16分割して月30万円と賞与2回分のように支払うのが一般的です。

年俸制と月給制の違い

項目 年俸制 月給制
給与の決め方 1年分の総額を先に決める 月ごとの金額を決める
支払い 分割して毎月1回以上 毎月1回以上
見直しの時期 年1回の面談で改定が多い 昇給時期に改定
残業代 原則として必要 必要

整骨院で年俸制が使われる場面

整骨院では、院長や分院長候補、スポーツトレーナーとの兼務など、成果や役割で給与を決めたい職種に年俸制が使われることがあります。前年の売上や施術数をもとに、翌年の年俸を決める院もあります。

一方で、年俸制という言葉だけが使われ、実態は「残業代を払わないための仕組み」になっているケースもあります。名前ではなく、中身で判断することが大切です。

年俸制のメリットは、1年間の収入の見通しが立てやすいことです。月ごとの売上で給与が上下する歩合制と比べると、生活設計がしやすいと感じる人もいます。

反対にデメリットは、年度の途中で成果を上げても、給与に反映されるのが翌年になりやすいことです。評価の基準や見直しの時期が決まっていない院では、頑張りが報われにくいと感じることもあります。

柔道整復師として経験を積み、施術数や後輩の指導で成果を出せる人にとっては、年俸制が収入アップのきっかけになることもあります。大切なのは、評価の物差しが事前に共有されているかどうかです。

年俸制の整骨院でも残業代は支払われる

厚生労働省の「確かめよう労働条件」のQ&Aでは、年俸制でも法定労働時間を超えて働けば、原則として割増賃金を支払う必要があると説明されています。「年俸制だから残業代なし」という説明は誤りです。

受付締め後に片付けとカルテ整理を終えると、毎日1時間ほど残っている。こうした時間も、院の指示や業務として必要なものであれば労働時間に含まれます。

残業代が年俸に含まれている場合の条件

年俸に残業代を含める契約自体は、すぐに違法とはなりません。ただし、残業代にあたる部分がほかの給与と区別できるように示され、法律で計算した額以上が支払われている必要があります。

さらに、年俸に含めた時間を超えて働いた分は、別途支払いが必要です。「年俸に全部込み」と言われても、何時間分の残業代がいくら含まれているかが説明されていなければ、確認する価値があります。

賞与込みの年俸は残業代の計算に注意

同じQ&Aでは、年俸の一部を賞与として支払う場合でも、あらかじめ額が確定しているなら、賞与部分も含めた年俸額をもとに割増賃金を計算するとされています。

たとえば「年俸480万円のうち、月30万円と夏冬の賞与で各60万円」と決まっている場合、残業代の単価は月30万円ではなく、480万円をもとに計算するのが原則です。単価が低く計算されていないかを確認しましょう。

残業代がきちんと出ているか確かめる方法

確認の第一歩は、自分の1時間あたりの単価を出してみることです。年俸額を、1年間の所定労働時間で割ると、おおよその時給がわかります。残業代は、その単価に25%以上を上乗せした額が基本です。

次に、給与明細に残業代や固定残業代の欄があるかを見ます。欄がなく、毎月同じ額だけが振り込まれている場合は、残業時間が給与に反映されていない可能性があります。

なお、深夜(22時から翌5時まで)に働いた分の割増賃金は、管理監督者であっても支払いが必要とされています。夜遅くまで営業する院や、閉院後の作業が22時を過ぎる院では、深夜分の扱いも確認しておきましょう。

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年俸制の求人や契約書で確認したいポイント

年俸制の整骨院に応募するときは、「年俸の内訳」「残業代の扱い」「年俸の見直し方法」の3点を、入社前に書面で確認するのが安心です。口頭の説明だけでは、後から食い違いが起きやすくなります。

業界の求人を見ると、整骨院では「基本給15万円+固定残業手当10万円+資格手当5万円=月給30万円」のように、手当を足して額面を高く見せる給与体系が多いと指摘されています。年俸制でも同じように内訳を見ることが大切です。

入社前に確認したい手順

  1. 求人票の年俸額と、毎月の支給額・賞与の内訳を確認する
  2. 残業代が含まれているなら、何時間分でいくらかを聞く
  3. 含まれる時間を超えた分の支払い方法を確認する
  4. 年俸の見直し時期と、評価の基準を聞く
  5. 労働条件通知書や雇用契約書に、上記が書かれているか確かめる

すでに働いていて残業代が出ないときは

まずは、自分の出勤・退勤時刻を毎日記録し、給与明細と雇用契約書を手元に保管しましょう。記録があれば、院長に説明を求めるときも、労働基準監督署に相談するときも話が進みやすくなります。

固定残業代のしくみについては、柔道整復師の年収に潜むみなし残業代の記事で詳しく解説しています。給与の見方に不安がある方は、あわせて確認してみてください。

院長と話す際は、責めるような言い方ではなく「契約書のこの部分の意味を教えてください」と質問の形で聞くと、関係をこじらせずに確認できます。それでも説明が得られない場合は、転職を含めて今後の働き方を考えるタイミングです。

面接の段階で給与の内訳を質問すると、印象が悪くなるのではと心配する人もいます。しかし、条件を確認するのは働く側として当然のことです。「長く働きたいので確認させてください」と前置きすれば、前向きな質問として受け止めてもらえます。

説明を聞いた内容は、その場でメモを取り、内定時に受け取る労働条件通知書と照らし合わせましょう。口頭の説明と書面が違う場合は、入社前に必ず確認することがトラブル防止につながります。

よくある質問(FAQ)

年俸制の整骨院で「残業代は出ない」と言われました。違法ですか?

年俸制でも、法定労働時間を超えて働いた分の割増賃金は原則として必要です。管理監督者など一部の例外を除き、「年俸制だから残業代なし」という扱いは認められません。

年俸に残業代が含まれていると言われたら、それ以上はもらえませんか?

含まれている時間を超えて働いた分は、別途支払いが必要です。何時間分の残業代がいくら含まれているかを確認し、実際の残業時間と比べてみましょう。

年俸制だと途中で給料を下げられることはありますか?

年度の途中で一方的に年俸を下げることは、原則として認められにくいと考えられています。見直しは契約で決めた時期と方法で行うのが基本なので、改定のルールを入社前に確認しておきましょう。

分院長になると年俸制で残業代がなくなるのは本当ですか?

分院長という肩書だけで残業代が不要になるわけではありません。労働時間を自分で決められる権限や、立場にふさわしい待遇があるかなど、実態で判断されます。

年俸制と月給制、柔道整復師にはどちらが有利ですか?

どちらが有利かは、内訳と評価の仕組みで決まります。年俸制は成果が翌年の給与に反映されやすい反面、内訳があいまいだと残業代が見えにくくなるため、条件を書面で確認することが大切です。

まとめ|年俸制でも残業代のルールは変わらない

年俸制の整骨院でも、法定労働時間を超えた分の残業代は原則として支払われます。「年俸制だから」という説明をうのみにせず、内訳と契約内容を確認することが大切です。

  • 年俸制でも給与は毎月1回以上、決まった日に支払われる
  • 年俸制でも残業代(割増賃金)は原則として必要
  • 賞与込みで額が確定した年俸は、賞与分も含めて残業代を計算する
  • 入社前に、年俸の内訳・残業代・見直し方法を書面で確認する

役職と年収の関係を知りたい方は、院長・分院長の年収の記事も参考にしてください。

治療家コネクトでは、退職や転職のご相談を無料で承っています。今の給与が適正か知りたい方、条件のよい職場を探したい方も、お気軽にご相談ください。まずは相談だけでも大丈夫です。

給与明細と雇用契約書を見比べて年俸制の残業代に疑問を持つ柔道整復師のイラスト

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