「整骨院に勤めて3年、ボーナスは一度ももらったことがない」「求人には『賞与あり』と書いてあったのに、寸志だけだった」。ボーナスのことで、もやもやを抱える柔道整復師は少なくありません。
結論から言うと、ボーナス(賞与)は法律で支払いが義務づけられたものではないため、出ないこと自体は違法ではありません。ただし、雇用契約や就業規則で支給が決まっているなら、受け取る権利があります。この記事では、賞与の相場と、整骨院で確認すべきポイントを解説します。
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整骨院でボーナスが出ないのは違法ではない
ボーナスは、法律で必ず払わなければならないものではないため、整骨院が賞与を出さないこと自体は違法ではありません。支給するかどうか、いくら払うかは、それぞれの院の雇用契約や就業規則で決まります。
ボーナス(賞与)とは、毎月の給料とは別に、夏や冬などに支払われる臨時の賃金のことです。業績や個人の評価に応じて金額が決まることが多く、院によって「寸志」と呼ぶこともあります。
年末、友人から「ボーナスで旅行に行く」と聞き、自分の通帳を見てため息をつく。そんな経験がある人は、まず自分の院のルールがどうなっているかを確認するところから始めましょう。
契約や就業規則で決まっていれば請求できる
雇用契約書や就業規則に「賞与は年2回、基本給の〇か月分を支給する」のように、支給の条件や金額がはっきり書かれている場合は、それに沿って受け取る権利があります。条件を満たしているのに支払われない場合は、請求することができます。
一方で、「業績に応じて支給することがある」といった書き方の場合は、院の判断で支給しないこともあり得ます。どちらなのかで、対応が大きく変わります。
賞与の決まりは就業規則に書く必要がある
労働基準法第89条では、賞与などの臨時の賃金を定める場合は、その内容を就業規則に書くことが求められています(常時10人以上の事業場の場合)。賞与の制度がある院では、支給の時期や計算方法を確認できるはずです。
就業規則がない小さな院では、入職時の労働条件通知書や雇用契約書に、賞与の有無がどう書かれているかを確認しましょう。
医療・福祉の賞与の相場を知る
自分のボーナスが多いか少ないかを判断するには、全国の平均と比べてみるのが役立ちます。厚生労働省の統計では、医療・福祉の夏のボーナスは、全産業の平均より低めの水準です。
ただし、統計の平均は病院や介護施設など規模の大きな事業所も含んだ数字です。小規模な整骨院とそのまま比べるのではなく、目安として考えましょう。
2025年夏季賞与の平均
| 区分 | 1人平均の支給額 | 前年比 | 支給した事業所の割合 |
|---|---|---|---|
| 調査産業計 | 426,337円 | 2.9%増 | 73.4% |
| 医療,福祉 | 282,108円 | 0.3%減 | 79.1% |
数字は厚生労働省の毎月勤労統計調査(2025年夏季賞与)によるものです(事業所規模5人以上、賞与を支給した事業所の1人平均)。医療・福祉の賞与は、毎月の給料の0.88か月分でした。
同じ統計では、医療・福祉で賞与を支給した事業所の割合は79.1%と、全産業の73.4%より高めでした。賞与を出す職場が多い一方で、1回あたりの金額は控えめという傾向が読み取れます。
賞与が少なくても年収で比べる
賞与が少ない院でも、毎月の給料が高ければ、年収では賞与のある院と変わらないこともあります。転職先を比べるときは、ボーナスの有無だけでなく、月給と賞与を合わせた年収で比べましょう。
年俸制の院では、賞与分が毎月の給料に含まれていることもあります。仕組みの違いは年俸制の整骨院の記事で解説しています。
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ボーナスが出ないときに確認したいこと
ボーナスが出ない、または約束より少ないときは、まず雇用契約書・就業規則・求人票で、賞与についてどう書かれていたかを確認しましょう。書かれている内容によって、院に説明を求めるべきか、職場を見直すべきかが変わります。
確認したうえで納得できない点があれば、感情的にならず、「賞与の基準を教えてください」と穏やかに聞いてみることから始めましょう。
確認の手順
- 入職時の雇用契約書や労働条件通知書で、賞与の記載を確認する
- 就業規則がある院では、賞与の支給条件や時期を確認する
- 応募したときの求人票の「賞与」欄を見直す
- 書かれている条件を満たしているのに出ない場合は、院に説明を求める
- 話し合いで解決しなければ、総合労働相談コーナーなどに相談する
支給日に在籍していることが条件のことも
就業規則で「支給日に在籍している人に支給する」と定めている院は多く、裁判でもこうした決まりは有効とされることが多くあります。ボーナスの直前に退職すると、受け取れない可能性があります。
辞める時期を考えている人は、賞与の支給日と在籍の条件を確認してから退職日を決めると安心です。転職の時期の考え方は、柔道整復師の転職のタイミングの記事を参考にしてください。
賞与の支給条件が書かれていたのに払われず、院との話し合いでも解決しない場合は、未払いの賃金として労働基準監督署に相談することもできます。支給条件が書かれた書類と、これまでの給与明細を用意しておきましょう。
賞与のある整骨院を見極めるポイント
転職でボーナスを重視するなら、求人票の「賞与あり」という表記だけで判断せず、昨年の支給実績と計算方法を確認することが大切です。実績を具体的に答えてくれる院ほど、制度がきちんと運用されていると考えられます。
求人票の書き方には、読み解きのコツがあります。「賞与あり(業績による)」と「賞与年2回(昨年実績2か月分)」では、受け取れる見込みが大きく違います。
面接で確認したいこと
- 昨年の賞与の支給実績(何か月分か、金額の目安)
- 賞与の計算方法(基本給の何か月分か、個人の評価か、院の業績か)
- 支給の時期と、入職1年目から対象になるか
- 支給日在籍の条件があるか
求人票と実態の違いについては、求人票と実態が違う整骨院の記事でくわしく解説しています。
退職金の制度もあわせて確認する
賞与とあわせて、退職金の制度があるかどうかも確認しておきましょう。長く働くつもりなら、退職金の有無は生涯の収入に大きく影響します。
整骨院の退職金については、整骨院の退職金の記事にまとめています。
よくある質問(FAQ)
整骨院でボーナスが出ないのは違法ですか?
違法ではありません。賞与は法律で支払いが義務づけられたものではなく、院ごとの契約や就業規則で決まります。ただし、契約書や就業規則に支給の条件や金額がはっきり書かれていれば、受け取る権利があります。
医療・福祉の夏のボーナスの平均はいくらですか?
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2025年夏季賞与の医療・福祉の1人平均は282,108円でした(事業所規模5人以上、支給事業所の平均)。全産業の平均426,337円より低めの水準です。
求人票に「賞与あり」と書いてあったのに寸志だけでした。おかしくないですか?
「賞与あり」だけでは金額の約束にはならないことが多いです。雇用契約書や就業規則に具体的な基準が書かれていないか確認し、書かれていれば院に説明を求めましょう。転職時は昨年の支給実績を確認するのがおすすめです。
ボーナスをもらってから辞めても大丈夫ですか?
問題ありません。ただし、支給日に在籍していることを条件にする院が多いため、退職日は支給日より後にする必要があります。就業規則で条件を確認し、引き継ぎの期間も考えて伝えましょう。
入職1年目でもボーナスはもらえますか?
院によって違います。査定期間の途中で入職した場合、1年目の最初の賞与は対象外か減額になることがあります。面接の段階で、入職1年目の扱いを確認しておきましょう。
まとめ|ボーナスは契約と実績で確かめよう
整骨院がボーナスを出さないこと自体は違法ではありませんが、契約や就業規則で支給が決まっていれば受け取る権利があります。2025年夏季賞与の医療・福祉の平均は282,108円で、全産業平均の426,337円より低めでした。
- 雇用契約書・就業規則・求人票で賞与の記載を確認する
- 支給日在籍の条件があるかを確かめてから退職日を決める
- 転職先は「賞与あり」ではなく、昨年の支給実績で比べる
- 月給と賞与を合わせた年収で比べる
収入の見通しが立つ職場で働くことは、長く柔道整復師を続けるための安心につながります。
給料やボーナスに納得できないまま働き続けるより、条件をきちんと示してくれる整骨院を探すことも一つの選択です。
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