「退職日は月末にしたほうが得なの?」「次の整骨院が月の途中から始まるけれど、どう調整すればいい?」。辞めることは決めたものの、具体的な退職日をいつにするかで迷う柔道整復師は多いものです。
結論から言うと、退職日を月末にするか月の途中にするかで、社会保険料の負担や、退職後の手続きが変わります。どちらが得かは、次の職場が決まっているかどうかで違います。この記事では、月末退職と月の途中で辞める場合の違いと、自分に合った退職日の決め方を解説します。
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退職日で社会保険料の負担が変わる
整骨院を辞める日を月末にするか月の途中にするかで、最後の月の社会保険料の扱いが変わります。社会保険の資格は退職日の翌日に失われ、保険料はその前の月の分までかかるためです。
社会保険料とは、給料から引かれる健康保険料と厚生年金保険料のことです。会社の保険に入っている間は、院と本人で半分ずつ負担しています。
受付締め後のカルテ整理をしながら、カレンダーを見て「30日で辞めるか、31日で辞めるか」と悩む。たった1日の違いでも、手続きや負担が変わることがあるのです。
月末退職と月の途中の退職の違い
| 項目 | 月末に退職(例:10月31日) | 月の途中で退職(例:10月30日) |
|---|---|---|
| 社会保険の資格を失う日 | 11月1日 | 10月31日 |
| 院の社会保険料がかかる月 | 10月分までかかる | 9月分まで(10月分はかからない) |
| 退職月の保険・年金 | 院の健康保険・厚生年金に加入 | 国民健康保険・国民年金などへの切り替えが必要 |
月の途中で辞めると、院の社会保険料は退職月の分がかからない代わりに、その月は自分で国民健康保険と国民年金に入る必要があります。手取りが単純に増えるわけではない点に注意しましょう。
最後の給料から保険料が2か月分引かれることも
社会保険料は、前の月の分を当月の給料から引く院が多くあります。月末に退職すると、最後の給料から前月分と退職月分の2か月分がまとめて引かれることがあります。
最後の給料の手取りが思ったより少なくて驚かないよう、退職前に院の事務担当に確認しておくと安心です。
次の職場が決まっている場合の退職日
次の整骨院が決まっている場合は、前の院の退職日と次の院の入職日の間を空けず、できれば「前の月末に退職し、翌月1日に入職」とするのが手続きの面で最もシンプルです。保険の切り替えが自分で必要なくなるためです。
前の院と次の院の間に1日でも空白があると、その期間の国民健康保険や国民年金の手続きが必要になることがあります。入職日が決まっている場合は、そこから逆算して退職日を決めましょう。
退職日を決めるまでの手順
- 次の院の入職日を確認する
- 残っている有給休暇の日数を確認する
- 引き継ぎに必要な期間を考える
- 入職日の前日か、前の月末を退職日の候補にする
- 院長に退職の意思と希望の退職日を伝える
有給休暇の消化も計画に入れる
退職日までに残っている有給休暇は、本人の希望で使うことができます。最終出勤日のあとに有給をまとめて使い、退職日を月末にする方法もよく使われます。
厚生労働省の令和7年就労条件総合調査によると、2024年に労働者1人あたりに付与された有給は平均18.1日、取得されたのは12.1日でした。使い切れずに残った有給がある人は、退職前に計画的に消化しましょう。
有給消化の進め方は、整骨院を辞めるときの有給消化の記事でくわしく解説しています。
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次の職場が決まっていない場合の退職日
次の職場が決まっていない場合は、退職後の保険や年金の手続き、失業給付の受け取りまで見通して退職日を決めることが大切です。退職日そのものより、収入が途切れる期間をどう乗り切るかを考えましょう。
辞めた後に自分で国民健康保険と国民年金に入るか、家族の扶養に入るか、院の健康保険を任意継続するかを選ぶ必要があります。退職日の前に、どれにするかを決めておくと慌てずに済みます。
任意継続は、退職日までに院の健康保険に2か月以上加入していた人が、退職後20日以内に申し出ると、最長2年間続けられる制度です。保険料は全額自己負担になるため、国民健康保険と比べて選びましょう。
自己都合退職の給付制限
自分から辞める自己都合退職の場合、失業給付には給付制限の期間があります。2025年4月からは、この期間が原則1か月に短くなりました。
給付制限の間は収入がなくなるため、少なくとも数か月分の生活費を準備してから辞めると安心です。手続きの流れは退職後の失業保険の記事にまとめています。
住民税の支払いも忘れずに
住民税は前の年の所得をもとに計算されるため、退職して収入がなくなっても支払いが続きます。1月から5月に辞めた場合は、残りの住民税が最後の給料から一括で引かれるのが原則です。
退職月によって払い方が変わるため、最後の給料の手取りと合わせて確認しておきましょう。
退職日を伝えるときの注意点
退職日は、自分の希望を伝えたうえで、院と話し合って決めるのが円満です。法律上は、期間の定めのない雇用であれば、申し入れから2週間で退職できます(民法第627条)。
ただし、急な退職は患者さんの引き継ぎや院のシフトに大きな影響を与えます。トラブルを避けるためにも、就業規則に定められた申し出の時期を確認し、できるだけ早めに伝えましょう。
退職日を伝えるタイミングは、月の初めなど、院がシフトを組む前が理想的です。翌月のシフトが決まった後に伝えると、院長やほかのスタッフの調整の負担が大きくなります。
伝えるときのポイント
- 退職の意思と、希望の退職日を具体的な日付で伝える
- 有給を消化したい場合は、同時に伝える
- 退職日は、退職届にも同じ日付で書く
- 最後の給料の支払日と、離職票などの書類の送り先を確認する
最後の給料が払われないときは
退職した人から請求があれば、院は7日以内に賃金を支払う必要があります(労働基準法第23条)。最後の給料の支払いが遅れる場合は、このルールを伝えて支払いを求めましょう。
厚生労働省の発表によると、2024年に労働基準監督署が扱った賃金不払事案は22,354件ありました。最後の給料が払われないまま連絡が取れなくなる、ということがないよう、給与明細や勤務の記録は退職前に手元に保管しておきましょう。
退職届の書き方は、整骨院の退職届の書き方と出し方で例文つきで紹介しています。
よくある質問(FAQ)
整骨院を辞めるなら月末と月の途中、どちらが得ですか?
次の職場が翌月1日から決まっているなら、月末退職が手続きの面でシンプルです。月の途中で辞めると院の社会保険料は退職月の分がかかりませんが、その月は国民健康保険と国民年金に自分で入る必要があり、単純に得とは言えません。
月末に辞めたら、最後の給料から社会保険料が2か月分引かれました。正しいですか?
院が前月分の保険料を当月の給料から引いている場合、月末退職では前月分と退職月分がまとめて引かれることがあり、計算としては正しい場合が多いです。気になるときは給与明細を見ながら院に確認しましょう。
次の整骨院の入職日が15日です。退職日はいつにすればいいですか?
入職日の前日の14日を退職日にすれば、保険の空白期間が生まれません。有給休暇が残っている場合は、最終出勤日のあとに有給を使い、退職日を14日に合わせる方法もあります。
退職日は自分で決めてもいいのですか?
希望を伝えたうえで院と話し合って決めるのが円満です。期間の定めのない雇用なら、法律上は申し入れから2週間で退職できますが、引き継ぎを考えて早めに伝えましょう。
自己都合で辞めた場合、失業保険はいつからもらえますか?
待期期間の7日間のあと、自己都合退職では給付制限の期間があります。2025年4月からは、給付制限は原則1か月になりました。その間は収入がないため、生活費を準備しておきましょう。
まとめ|退職日は次の予定から逆算して決めよう
整骨院を辞める日を月末にするか月の途中にするかで、社会保険料の扱いや退職後の手続きが変わります。社会保険の資格は退職日の翌日に失われ、保険料はその前の月の分までかかります。
- 次の職場が決まっていれば、入職日の前日や前の月末を退職日にする
- 月末退職では、最後の給料から保険料が2か月分引かれることがある
- 次が決まっていなければ、保険・年金・失業給付まで見通す
- 自己都合退職の給付制限は、2025年4月から原則1か月
退職日をきちんと決めておけば、次のスタートを安心して切ることができます。
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