「明日、もう整骨院に行きたくない」「院長と顔を合わせずに辞めたい。このまま連絡を絶ってしまおうか」。そこまで追い詰められている柔道整復師もいるでしょう。
結論から言うと、無断で辞める(いわゆるバックレ)は、懲戒解雇や書類のトラブルなど、自分にとって不利になるリスクがあります。ただし、院長と直接話さなくても辞める方法はあります。この記事では、無断で辞めるリスクと、連絡せずに消える前に取れる現実的な方法、相談先を解説します。
「辞め方がわからず、追い詰められている」という方は、治療家コネクトのLINE無料相談で話を聞くこともできます。
無断で辞めると自分が不利になりやすい
整骨院を無断で辞めると、懲戒解雇の理由にされたり、離職票などの書類が受け取れなくなったりと、辞めた後の生活で不利になるおそれがあります。つらさから逃げたい気持ちは自然ですが、手段は選んだほうが自分を守れます。
無断退職(バックレ)とは、退職の意思を伝えないまま出勤をやめ、職場との連絡を絶つことです。法律上、退職するには、少なくとも退職の意思を職場に伝える必要があります。
夜、布団の中で翌朝のことを考えると胸が苦しくなる。スマホに院長からの着信が表示されるだけで、手が震える。そこまで追い詰められているなら、まず「辞めてもいい」と自分に許可を出すことから始めましょう。
無断で辞めたときに起こりうること
| 起こりうること | 内容 |
|---|---|
| 懲戒解雇 | 無断欠勤が続くと、懲戒解雇の理由にされることがある |
| 書類のトラブル | 離職票や源泉徴収票の受け取りが遅れる |
| 失業給付への影響 | 懲戒解雇になると、給付制限が長くなることがある |
| 連絡や訪問 | 安否確認として、家族や自宅に連絡が来ることがある |
無断欠勤と懲戒解雇の関係
厚生労働省の通達では、原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合は、労働者の責めに帰すべき事由による解雇として扱える目安が示されています。懲戒解雇の記録は、転職の際に説明を求められることもあります。
一方、退職の意思を伝えていれば、期間の定めのない雇用は、申し入れから2週間で終了します(民法第627条)。たった一度、意思を伝えるだけで、状況は大きく変わります。
また、2025年4月からは、自分から辞める自己都合退職の場合、失業給付の給付制限は原則1か月になりました。きちんと退職の手続きを踏めば、辞めた後の生活の見通しも立てやすくなります。
損害賠償や給料はどうなるのか
無断で辞めたからといって、すぐに高額な損害賠償を払わされることは通常ありません。また、働いた分の給料は、辞め方に関係なく受け取る権利があります。
「辞めたら損害賠償を請求する」と言われて、辞められなくなっている人もいます。けれども、労働基準法第16条では、あらかじめ違約金や損害賠償の額を決めておくことは禁止されています。
働いた分の給料は必ず受け取れる
労働基準法第24条では、賃金は全額を支払うことが原則です。辞め方を理由に、働いた分の給料を払わないことは認められません。退職した人が請求すれば、院は7日以内に賃金を支払う必要があります(第23条)。
給料が払われない場合は、労働基準監督署に相談できます。給与明細や出勤の記録は、辞める前に手元に保管しておきましょう。
ただし実際の損害には注意
院の備品や鍵を返さない、患者さんの情報を持ち出すなど、実際に損害を与えた場合は、その分の責任を問われることがあります。辞めるときは、借りている物を郵送で返すなど、最低限の後始末をしておくことが大切です。
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院長と話さずに辞める現実的な方法
院長と直接話すのがどうしてもつらい場合は、退職届を郵送する、メールで意思を伝える、退職代行を使うといった方法があります。どの方法でも、「辞める意思を伝える」ことさえできれば、無断退職のリスクは大きく減らせます。
電話や対面で引き止められるのが怖いなら、書面で伝えるのがおすすめです。記録が残るので、「聞いていない」と言われる心配もありません。
連絡せずに消える前にできること
- 退職届に退職日を書き、内容証明郵便や簡易書留で院に郵送する
- メールやLINEでも、退職の意思と退職日を伝える
- 借りている制服・鍵などは郵送で返却する
- 離職票・源泉徴収票の送り先として、自宅の住所を伝える
- 体調が悪い場合は医療機関を受診し、診断書をもらう
退職届の書き方は整骨院の退職届の書き方と出し方で、退職代行の使い方は整骨院の退職代行の記事で解説しています。
退職届を郵送するときは、コピーを取ってから送り、郵便の控えも保管しておきましょう。院から電話がかかってきても、無理に出る必要はありません。「退職の件は書面でお伝えしたとおりです」とメールで返せば十分です。
心身が限界なら休むことを優先する
出勤しようとすると体が動かない、眠れないといった状態が続いているなら、退職より先に、医療機関を受診して休むことを考えましょう。雇用保険や健康保険に入っていれば、休職中に傷病手当金を受け取れる場合もあります。
休職の手続きについては、整骨院で休職するときの記事を参考にしてください。
一人で抱え込まずに相談しよう
辞め方に悩んで追い詰められているときは、一人で決める前に、外部の窓口に相談しましょう。相談するだけで、気持ちが少し楽になり、取るべき行動が見えてくることがあります。
厚生労働省の発表によると、2024年度に全国の総合労働相談コーナーに寄せられた相談は1,201,881件、そのうち「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は54,987件でした。職場の悩みを外に相談することは、特別なことではありません。
主な相談先
- 総合労働相談コーナー:辞め方や引き止めのトラブルを無料で相談できる
- 労働基準監督署:給料が払われないなどの法律違反を相談できる
- こころの耳(厚生労働省のサイト):心の不調について相談窓口を案内している
- 家族や信頼できる友人:一人で抱え込まないための身近な相談相手
相談するときに、うまく話せなくても大丈夫です。「職場に行けなくなった」「辞め方がわからない」と伝えるだけで、相談員が一緒に整理してくれます。
辞めた後のことも少しずつ考える
辞めた後の生活が不安で、決断できない人もいるでしょう。退職後の健康保険や年金の切り替え、失業給付の手続きを知っておくと、不安は小さくなります。
引き止めが強くて辞められない場合は、整骨院を辞めさせてもらえないときの記事も参考になります。
よくある質問(FAQ)
整骨院を無断で辞めたら、損害賠償を請求されますか?
通常、無断で辞めたことだけで高額な損害賠償が認められることはまれです。労働基準法では、違約金や損害賠償の額をあらかじめ決めておくことも禁止されています。ただし、備品を返さないなど実際の損害を与えた場合は注意が必要です。
無断で辞めた場合、最後の給料はもらえますか?
もらえます。働いた分の賃金は全額支払うのが原則で、辞め方を理由に払わないことは認められません。払われない場合は、給与明細や出勤の記録を用意して労働基準監督署に相談しましょう。
院長と話さずに整骨院を辞める方法はありますか?
退職届を郵送する、メールで意思を伝える、退職代行を使うといった方法があります。期間の定めのない雇用であれば、退職の意思を伝えてから2週間で退職できます。
無断欠勤が続くとどうなりますか?
無断欠勤が続くと、懲戒解雇の理由にされることがあります。厚生労働省の通達では、原則2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、督促に応じない場合が一つの目安とされています。せめて退職の意思だけは伝えましょう。
もう出勤できないほどつらいです。どうすればいいですか?
まず医療機関を受診し、休むことを優先しましょう。診断書があれば、休職や退職の手続きもしやすくなります。総合労働相談コーナーやこころの耳など、無料の相談窓口もあります。
まとめ|消える前に「辞める」と伝えるだけで自分を守れる
整骨院を無断で辞めると、懲戒解雇や書類のトラブルなど、自分にとって不利になるリスクがあります。一方で、退職の意思を伝えれば、期間の定めのない雇用は2週間で終了します。
- 無断欠勤が続くと、懲戒解雇の理由にされることがある
- 働いた分の給料は、辞め方に関係なく受け取れる
- 退職届の郵送や退職代行など、院長と話さない方法もある
- 心身が限界なら、受診と休養を最優先に
あなたが自分を責める必要はありません。安全な辞め方を選んで、次の一歩に進みましょう。
追い詰められているときこそ、一人で決めずに誰かに話してみてください。
治療家コネクトでは、退職や転職のご相談を無料で承っています。「まだ辞めるか決めていない」「話を聞いてほしいだけ」という段階でも、まずは相談だけでも大丈夫です。無理に転職をすすめることはありませんので、気軽にLINEからご連絡ください。



