「次の整骨院から、前の職場の退職証明書を出してほしいと言われた」「辞めた院に頼んでも、なかなか書いてもらえない」。退職後の書類のことで困る柔道整復師は少なくありません。
結論から言うと、退職した人が請求すれば、整骨院は退職証明書を遅滞なく発行しなければなりません。これは労働基準法で定められた義務です。この記事では、退職証明書に書かれる内容、離職票との違い、請求の方法と、もらえないときの対処を解説します。
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退職証明書は請求すれば必ず発行してもらえる
退職証明書は、退職した人が請求すれば、整骨院が遅滞なく交付しなければならない書類です。労働基準法第22条で定められており、院の規模や退職の理由にかかわらず発行の義務があります。
退職証明書とは、その職場で働いていたことや退職したことを、元の勤務先が証明する書類のことです。転職先から在籍していた期間の確認のために求められたり、国民健康保険の手続きで使ったりします。
新しい院の入職書類をそろえていて、「前職の退職証明書」の欄で手が止まる。円満に辞められなかった院に連絡するのは気が重いものですが、法律上の権利として請求できる書類です。
退職証明書に書かれる内容
- 使用期間(勤めていた期間)
- 業務の種類
- その事業における地位
- 賃金
- 退職の事由(解雇の場合は、その理由を含む)
このうち、どの項目を書いてもらうかは本人が選べます。本人が請求していない項目を書くことは、法律で禁止されています。退職理由を書かれたくない場合は、請求する項目から外せば記載されません。
発行しないと罰則の対象になる
退職証明書を請求されたのに発行しない場合、労働基準法第120条により、30万円以下の罰金の対象になります。また、退職証明書の請求権は、退職後2年間行使できます。
「忙しいから後で」と言われ続けて何か月も届かない、ということは本来あってはならない対応です。
解雇された場合は理由の証明も求められる
院から解雇を予告された場合は、退職日より前でも、解雇の理由を書いた証明書を請求できます(労働基準法第22条第2項)。解雇の理由に納得できないときは、この証明書が、後で相談したり争ったりするときの大切な材料になります。
「能力不足」「勤務態度」といったあいまいな理由しか書かれていない場合は、具体的な事実を書いてもらうよう求めることもできます。突然の解雇への対応は、整骨院で突然解雇されたときの記事でくわしく解説しています。
退職証明書と離職票の違い
退職証明書と離職票は、どちらも退職に関する書類ですが、根拠となる法律と使い道が違います。退職証明書は労働基準法にもとづいて院が発行するもの、離職票は雇用保険の手続きのためにハローワークを通して交付されるものです。
転職先から「退職証明書」と言われたのか、「離職票」と言われたのかを、まず確認しましょう。名前が似ているため、取り違えて準備してしまう人は少なくありません。
2つの書類の比較
| 項目 | 退職証明書 | 離職票 |
|---|---|---|
| 根拠 | 労働基準法第22条 | 雇用保険法 |
| 発行するところ | 勤めていた整骨院 | 院の手続きを受けてハローワークが交付 |
| 主な使い道 | 転職先への提出、国民健康保険などの手続き | 失業給付の申請 |
| もらうための条件 | 本人が請求する | 本人が希望する(59歳以上は原則として交付) |
このほか、在籍中に発行してもらう「在職証明書」という書類もあります。今その職場で働いていることを証明するもので、住宅ローンや保育園の申し込みなどで使われます。退職後に必要なのは退職証明書なので、取り違えないよう注意しましょう。
離職票が届かないときは
失業給付を受けるために必要な離職票がなかなか届かない場合は、院に手続きの状況を確認し、それでも届かなければハローワークに相談しましょう。くわしくは離職票が届かないときの記事で解説しています。
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退職証明書を請求する方法
退職証明書は、院に「退職証明書を発行してください」と伝え、必要な項目を指定して請求します。後から「聞いていない」と言われないよう、メールや書面など記録が残る形で請求するのが安心です。
決まった様式はないため、院が独自の書式で作ることもあります。厚生労働省のモデル様式を使ってもらうよう、お願いするのも一つの方法です。
請求の手順
- 転職先などから、どの項目が必要かを確認する
- 院長や事務担当に、退職証明書の発行を依頼する
- 必要な項目(使用期間・業務の種類など)を具体的に伝える
- 送り先の住所と、いつまでに必要かを伝える
- 依頼した日付と内容を、メールなどで記録に残す
国民健康保険への切り替えで退職日を証明する書類が必要な場合も、退職証明書が使えることがあります。自治体によっては、健康保険の資格喪失証明書を求められることもあるため、手続き先で必要な書類を確認してから院に依頼すると二度手間を防げます。
依頼文の例
「お世話になっております。〇月〇日付で退職いたしました〇〇です。転職先への提出のため、退職証明書の発行をお願いできますでしょうか。記載事項は、使用期間と業務の種類のみで結構です。〇月〇日までに、下記の住所へ郵送いただけますと幸いです」。
退職前に、退職証明書が必要になりそうかを確認しておき、最終出勤日までに依頼しておくと、退職後に連絡を取る手間が省けます。
退職証明書がもらえないときの対処
請求しても退職証明書を発行してもらえない場合は、労働基準監督署に相談できます。発行は法律上の義務なので、監督署から院に指導してもらえる可能性があります。
厚生労働省の発表によると、2024年度に全国の総合労働相談コーナーに寄せられた相談は1,201,881件にのぼりました。退職をめぐるトラブルは珍しいものではなく、一人で抱え込む必要はありません。
相談するときに用意したいもの
- 退職証明書を請求したメールや書面の控え
- 院からの返事の内容と日付のメモ
- 雇用契約書や給与明細など、勤めていたことがわかる書類
監督署に相談するときは、院の名前と所在地、退職日、請求した日と方法を整理して伝えると、話がスムーズに進みます。
転職先に事情を伝える
退職証明書の発行が遅れている場合は、転職先にも正直に事情を伝えましょう。給与明細や雇用保険の被保険者証など、代わりに在籍を確認できる書類で対応してもらえることもあります。
退職の手続き全体の流れは、整骨院の退職届の書き方と出し方もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
整骨院を辞めた後でも退職証明書はもらえますか?
もらえます。退職証明書の請求権は、退職後2年間行使できます。請求があれば、院は遅滞なく発行しなければなりません。メールなど記録が残る形で依頼しましょう。
退職証明書に退職理由を書かれたくありません。
退職証明書には、本人が請求した項目だけを書くことが法律で決められています。退職理由を請求する項目に含めなければ、記載されません。依頼するときに、必要な項目を具体的に伝えましょう。
退職証明書と離職票は同じものですか?
違う書類です。退職証明書は労働基準法にもとづいて院が発行し、転職先への提出などに使います。離職票は雇用保険の手続きでハローワークを通して交付され、失業給付の申請に使います。
院が退職証明書を発行してくれません。どうすればいいですか?
発行は法律上の義務で、発行しない場合は30万円以下の罰金の対象になります。請求した記録を用意して、労働基準監督署に相談しましょう。転職先には事情を伝え、代わりの書類で対応できるか確認するのも方法です。
退職証明書を郵送してもらうことはできますか?
できます。依頼するときに送り先の住所と必要な期限を伝えましょう。返信用の封筒を同封すると、院も対応しやすくなります。
まとめ|退職証明書は請求すれば発行してもらえる書類
退職証明書は、退職した人が請求すれば、整骨院が遅滞なく発行しなければならない書類です。労働基準法第22条で定められ、発行しない場合は30万円以下の罰金の対象になります。
- 書いてもらう項目は本人が選べる。退職理由は外すこともできる
- 離職票とは別の書類。転職先にどちらが必要かを確認する
- 請求はメールや書面など、記録が残る形で行う
- もらえないときは、労働基準監督署に相談する
退職の書類をきちんとそろえることが、次の職場で気持ちよくスタートを切る準備になります。
退職の手続きや次の職場探しで迷ったら、気軽にご相談ください。
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