「新しい整骨院で、前の職場の源泉徴収票を出してくださいと言われた」「辞めた院から何も届かないけれど、どうすればいいのだろう」。転職の前後には、税金の書類のことで戸惑う柔道整復師も多いものです。
結論から言うと、年の途中で退職した場合、院は退職の日から1か月以内に源泉徴収票を渡す義務があります。年内に転職するなら、新しい院の年末調整にその源泉徴収票が必要です。この記事では、源泉徴収票の受け取り方、年末調整と確定申告の違い、もらえないときの対処を解説します。
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源泉徴収票は退職から1か月以内に受け取れる
年の途中で整骨院を辞めた場合、院は退職の日以後1か月以内に、源泉徴収票を本人に渡さなければなりません。これは所得税法226条で決められた義務です。
源泉徴収票とは、その年に勤務先から支払われた給料の総額と、給料から天引きされた所得税の額などが書かれた書類のことです。転職先での年末調整や、自分で行う確定申告のときに使います。
たとえば、6月末で整骨院を辞めて、8月から別の院で働き始めた場合、新しい院の年末調整には、1月から6月までの給料が書かれた前の院の源泉徴収票が必要です。11月ごろになって慌てて前の院に連絡する人もいるため、退職のときに「源泉徴収票はいつごろ届きますか」と確認しておくと安心です。
源泉徴収票に書かれている主な内容
- 支払金額(その年に支払われた給料や賞与の合計)
- 源泉徴収税額(給料から天引きされた所得税の合計)
- 社会保険料等の金額
- 退職した年月日
源泉徴収票をなくしてしまった場合は、前の院に再発行をお願いできます。転職先に出す前に、写真やコピーを残しておくと安心です。
源泉徴収票は、退職届や離職票とは別の書類です。離職票は失業保険の手続きに使う書類で、届くのが遅い場合の対処は離職票が届かないときの記事で解説しています。
年内に転職するなら新しい院で年末調整を受ける
年内に次の整骨院で働き始めた場合は、新しい院で年末調整を受けるのが基本です。そのときに、前の院の源泉徴収票を提出する必要があります。
年末調整とは、1年間の給料から天引きされた所得税の合計と、本来納めるべき所得税の額との差を、勤務先が年末に精算する手続きです。原則として、その年の12月31日の時点で在籍している勤務先が行います。
入職の時期が12月の場合でも、12月31日に在籍していれば、新しい院で年末調整を受けられるのが原則です。
前の院の源泉徴収票が必要な理由
新しい院は、前の院で支払われた給料の額を知りません。前の院の源泉徴収票を提出することで、1年分の給料を合算して、正しい所得税の額を計算できるようになります。提出できないと、新しい院で年末調整ができず、自分で確定申告をすることになります。
年末調整の流れ
- 前の院から源泉徴収票を受け取る
- 新しい院に、前の院の源泉徴収票と、扶養控除などの申告書を提出する
- 新しい院が1年分の所得税を計算し、払いすぎた分は戻り、足りない分は追加で引かれる
- 新しい院から、その年の源泉徴収票を受け取る
年末調整では、生命保険料や地震保険料の控除なども申告できます。控除証明書は、秋ごろに保険会社から届くことが多いので、新しい院に出す書類とあわせて準備しておきましょう。
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年内に再就職しない場合は確定申告をする
年の途中で退職して、その年のうちに再就職しなかった場合は、年末調整を受けられません。翌年に自分で確定申告をして、所得税を精算します。
確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。年の途中で退職した人は、給料から天引きされた所得税が多すぎることがあり、確定申告をすると税金が戻ってくる場合があります。
なお、失業保険(雇用保険の基本手当)は税金がかからないお金なので、確定申告の収入には含めません。退職金は、退職の時に「退職所得の受給に関する申告書」を出していれば、原則として確定申告は不要です。
税金が戻る「還付申告」は5年間できる
払いすぎた税金を取り戻すための申告(還付申告)は、確定申告の期間に関係なく、翌年の1月1日から5年間提出できます。「申告を忘れていた」という場合も、あきらめずに手続きしましょう。
確定申告で用意したいもの
- 前の院の源泉徴収票
- マイナンバーカード(または通知カードと本人確認書類)
- 退職後に自分で払った国民健康保険料や国民年金保険料の領収書・控除証明書
- 医療費控除などを受ける場合は、その明細や証明書
退職後に自分で払った国民健康保険料や国民年金保険料は、社会保険料控除の対象になります。払った分を申告に含めることで、所得税が少なくなる場合があります。確定申告は、国税庁のホームページやe-Taxを使って、自宅から行うこともできます。
掛け持ちしていた場合の注意点
2つの院を掛け持ちして給料を受け取っていた場合は、年末調整を受けなかった方の給料の額などによって、確定申告が必要になることがあります。国税庁の案内では、年末調整をされなかった給料の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える人は、確定申告が必要とされています。
| 状況 | 必要な手続き |
|---|---|
| 年内に次の院で働き始めた | 新しい院で年末調整(前の院の源泉徴収票を提出) |
| 年内に再就職しなかった | 翌年に自分で確定申告 |
| 2つの院を掛け持ちしていた | 主な院で年末調整。条件によって確定申告も必要 |
| 年末調整に前の院の分を出せなかった | 翌年に自分で確定申告 |
どの手続きが必要か迷ったときは、最寄りの税務署や、国税庁の電話相談センターに問い合わせることもできます。
源泉徴収票をもらえないときの対処
退職から1か月が過ぎても源泉徴収票が届かない場合は、まず院に連絡して発行をお願いしましょう。それでも渡してもらえない場合は、税務署に相談できます。
院への伝え方
「転職先の年末調整で必要なので、源泉徴収票を送っていただけますか」と、目的を添えて丁寧に伝えます。電話のほか、やり取りの記録が残るメールなどでお願いすると安心です。
退職のときに、源泉徴収票の送り先となる住所を院に伝えておくことも大切です。引っ越しの予定がある場合は、新しい住所を忘れずに知らせましょう。
税務署に「不交付の届出」ができる
何度お願いしても源泉徴収票を渡してもらえない場合は、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出できます。税務署から院に対して、交付するよう指導が行われます。届出のときは、給与明細など、給料の額がわかる書類を用意しておきましょう。
退職の手続き全体の進め方は、整骨院の退職届の記事も参考にしてください。退職後の健康保険と年金の手続きは、退職後の保険と年金の記事でまとめています。
よくある質問(FAQ)
整骨院を辞めた後、源泉徴収票はいつもらえますか?
年の途中で退職した場合、院は退職の日以後1か月以内に源泉徴収票を渡す義務があります。届かない場合は、まず院に発行をお願いしましょう。
転職先で前の院の源泉徴収票を出してと言われました。なぜ必要ですか?
新しい院で年末調整をするとき、前の院で支払われた給料と所得税を合算して計算するためです。提出できないと年末調整ができず、自分で確定申告をすることになります。
年内に再就職しなかった場合は、どうすればいいですか?
翌年に自分で確定申告をして、所得税を精算します。期間は原則として翌年の2月16日から3月15日までで、払いすぎた税金が戻ってくる場合もあります。
辞めた整骨院が源泉徴収票をくれません。どうすればいいですか?
まず院に、目的を伝えて発行をお願いしましょう。それでも渡してもらえない場合は、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出でき、税務署から院に指導が行われます。
確定申告を忘れていました。もう税金は戻ってきませんか?
払いすぎた税金を取り戻す還付申告は、翌年の1月1日から5年間提出できます。期間内であれば、あきらめずに手続きしましょう。
まとめ|源泉徴収票は、転職のときの大切な書類
年の途中で整骨院を辞めたら、源泉徴収票を受け取り、転職先での年末調整か、自分での確定申告に使います。
- 源泉徴収票は、退職の日以後1か月以内に受け取れる
- 年内に転職したら、新しい院で年末調整を受ける
- 年内に再就職しなければ、翌年に確定申告をする
- もらえないときは、税務署に不交付の届出ができる
書類の手続きを一つずつ片づけておけば、新しい職場でのスタートにも集中できます。
退職や転職の手続きで迷うことがあれば、お気軽にご相談ください。
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